私たちの身の回りには食器やグラス、ビンや鏡、電球など、ガラス製のものがたくさんあります。
ガラスは透明という特性から様々な色や装飾が施されている物もあります。
ガラスと一口に言っても、種類がさまざまであれば捨て方もさまざまです。
今回はガラスの捨て方、捨てるときの注意点を紹介します。
これを読めば、ガラスの捨て方に悩まなくなるでしょう。
また、捨てるはずだったガラスをインテリアとして活用することで、お部屋の雰囲気を変えることも可能です。ガラスを活用する際の注意点についても解説をしていきます。
目次
ガラスの捨て方3選
まずは、ガラスの捨て方3選を紹介します。割れたガラスとそうでない物、また大きさによって捨て方が異なります。
不燃ごみとして捨てる
最も一般的なガラスの捨て方は、自治体が回収している「不燃ごみ(燃えないごみ)」として指定日時に指定場所に捨てる方法です。割れているかそうでないかで捨て方が変わります。
割れていないガラスの捨て方
引越しや断捨離で使用しなくなったガラス製の物は不燃ごみとして袋に入れて捨てます。
ただしゴミ袋に入るサイズまで、それ以上のサイズは後述する粗大ごみとして捨てる必要がありますのでご注意ください。
不燃ごみとして捨てることができるガラスは、食器類、グラス、LED電球、鏡などです。
割れたガラスの捨て方
落とすなどして割れてしまったグラス、お皿、鏡なども不燃ごみとして袋に入れて捨てます。
ただし、割れたガラスは先が鋭利になっていますし、不意に触って怪我をする可能性もあり危険です。剝き出しのままにならないよう新聞などで包んでから、袋に入れて捨てましょう。
不燃ごみで捨てることができないガラスの捨て方
不燃ごみで捨てることができないガラスも自治体が回収しているごみとして捨てることができます。それぞれの種類に合った指定の日時・指定場所に捨てましょう。
ビンは資源
ジュース、お酒、ジャムなど主に食料品が入っていたビンは、洗って乾かした後に資源として出します。
なお、油や化粧品が入っていたビンは燃えないゴミとなる場合があります。
それらに含まれている油分は洗っても落としきれないためです。資源ごみとして捨てることができるガラスは「再資源化できる物」に限る場合が多いため、注意しましょう。
蛍光管は有害ごみ
蛍光管は有害ごみとして出します。蛍光管には水銀という有害な物質が含まれています。
この物質は、健康障害を引き起こす可能性が高いとされており、「水俣病」の発症により多くの人に有害性が知られることとなりました。
水俣病とは、新潟県と熊本県で発生した水銀メチルによる集団中毒のことで、手足のしびれや視野が狭くなるなどの症状が現れます。
水俣病の場合は、工場から排水された水に水銀の物質が流れてしまい、それが魚に、水銀に侵された魚を食べた人に蓄積されたことにより、次々と発生しました。
微量であれば、体内に蓄積されることはほとんどないため、蛍光管等のガラスごみについては、過度に心配する必要はありません。
ただし、蛍光管を捨てる場合にはむやみに割ったりせず、袋に入れて出しましょう。また割れてしまった蛍光管は有害ごみではなく、不燃ごみとして捨てます。
割ってしまうと「早く片づけなければならない」と焦ってしまいますが、
・速やかに換気をする
・手袋やビニール袋で手を保護して掴む
・新聞などに包む
など、有害物質が含まれる蛍光管に触れないように注意しましょう。
粗大ごみとして捨てる
ゴミ袋に入らない大きさのガラスは粗大ごみとして捨てます。
自治体によって「袋からはみ出してしまうもの、5キログラム以上のもの」など決まりがある場合もありますので、事前に調べることをおすすめします。
粗大ごみの捨て方には2種類あり、どちらでも物の大きさや重量によって処分費用が決まりますが、1つ500円~2,500円程度が相場です。
戸別収集を依頼して回収してもらう
①自治体に連絡し、事前申し込みをする
②事前申し込み時に指定された処分手数料分の処理券(シール)を購入する
(近所のコンビニ、スーパー、市役所などで購入可能)
③シールに必要事項を記入し、処分する粗大ごみに貼る
④粗大ごみの収集日に、市町村が指定する収集場所に出す
処理施設へ持ち込む
自身で処理施設に持ち込む場合は、その場で重量に応じた手数料の支払いを行います。
粗大ごみの処分方法の詳しい内容は、下記記事でも紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
捨てたガラスはリサイクルされる?
捨てられたガラスはそれぞれ色や種類別に分けられ、破砕処理をしたあと、新しいガラス製品を作るための原料になります。
さらには、別の製品原料となることもあるのです。
捨てられたガラスがどうリサイクルされるのか見ていきましょう。
ビンの再資源化
資源として収集されたビンは、再資源化施設にて色別に破砕し、新しいビンを製造するためのガラス原料になります。
または、高温で溶かし、遠心力などを利用して細かい繊維状に加工した後、成形されてできるグラスウールなどの原料にも使われます。グラスウールは住宅の断熱材として使われる製品です。
蛍光管の再資源化
有害ごみとして収集された蛍光管は、再資源化施設にて水銀を除去した後に、破砕します。破砕後はビン同様、新しい蛍光管を製造するためのガラス原料になるのです。
ちなみに蛍光管は水銀、ガラスだけで構成されていません。鉄やアルミ、プラスチックなどもあり、可能な限り全ての部品をリサイクルし、それぞれの製品原料やセメント原料にする取り組みが進められています。
海外に輸出しリユース化
自治体の中には新しい試みとして、回収したガラス製品でまだ使えるものをリユース業者に引き渡しています。引き渡したガラス製品は海外に輸出され、リユースされています。
ガラスを捨てるときの注意点
ガラスをはじめとする「ごみを捨てる」ことには、いくつかのルールが存在します。
自治体またはごみの種類によって異なりますので、ここでは一例を紹介します。
指定収集袋で捨てる
ごみを減らす取り組みの一環として、指定収集袋でのゴミ出しをルール化している自治体があります。指定収集袋は有料です。収集袋が指定されている自治体に住んでいる場合には、必ず指定の袋で捨てましょう。
種類 | 燃えるごみ | 燃えないごみ | 空きびん・ペットボトル |
---|---|---|---|
大きさ | |||
大 (45リットル) |
45円 | 45円 | 22円 |
中 (30リットル) |
30円 | 30円 | 15円 |
小 (15リットル) |
15円 | 15円 | なし |
割れたガラスは怪我防止が必須
割れたガラスは、自分も収集する人も怪我をすることがないよう新聞、布などで包みます。
新聞紙、厚紙、布など何で包むべきか指定している場合や、袋に「キケン」と記入することをルールとしている自治体もあります。
捨てる前に自治体のゴミ出し方法などをHPで確認しましょう。
自治体 | ごみの種類 | 注意点 |
---|---|---|
佐賀県杵島郡 | 不燃ごみ |
白石町:紙などに包む 大町町:蓋つきの缶などに入れる |
佐賀県武雄市 | 不燃ごみ | ガラス片などは新聞紙等に包む |
長崎県西彼杵郡 | 不燃ごみ | 時津町:新聞紙などで包んで「割れもの」表示する |
長崎県佐世保市 | 不燃ごみ | 紙に包む |
長崎県長崎市 | 不燃ごみ | 割れたものは紙などで包んで「危険」と表示する |
福岡県久留米市 | 不燃ごみ | 鋭利で危険なものは紙などに包む |
ガラスの再利用でお部屋をおしゃれに
ガラスはきちんとした方法で捨てることができれば、自治体などの施設で再資源化(製品を作る原料(資源))をすることができます。
また、購入したジュースやジャム、お酒の瓶が綺麗な色だった、おしゃれな形だったなど、捨てるはずのガラスをインテリアに活用することもできます。
間接照明
ジュースやお酒の瓶はよく洗い、乾かした後に100円均一やホームセンターなどで売っている電飾を入れることで、雰囲気ある間接照明を作ることができます。
1つでも十分ですし、複数の瓶を並べるとさらにおしゃれな空間になります。
調味料入れ
ジャムの空き瓶は、空気が入り酸化を防ぐために密閉構造になっています。
ともすれば、ゴマや輪切り唐辛子、スパイスなど湿気させたくない調味料の保管にも適しているのです。テプラやシールを貼ることで、統一感も生まれるためキッチンがおしゃれに見えそうです。
DIYする小物入れ
麻のヒモや毛糸を活用することで、オリジナルの小物入れを作ることもできます。
その場合には、巻き付けが取れないように瞬間接着剤でつけると良いでしょう。
ガラスの捨て方まとめ
最後にガラスの捨て方と注意点をまとめます。
ガラスの種類 | ごみの種類 | 捨て方ポイント |
---|---|---|
割れていないガラス | 不燃ごみ | 割れやすいものであれば新聞や布などに包んで袋に入れる |
割れているガラス | 不燃ごみ |
新聞や布などで包んで袋に入れる ※指定がある場合は「危険」表示をする |
割れている蛍光管 | 不燃ごみ |
新聞や布などで包んで袋に入れる ※換気、掴むときは手を保護しする |
ゴミ袋に入らないガラス | 粗大ごみ | 戸別収集か処理施設に持ち込む |
食品が入っていたビン | 資源ごみ |
洗って乾かした後に袋に入れる ※自治体によってごみの種類が変わる場合あり |
蛍光管 | 有害ごみ |
割れないように袋に入れる ※自治体によってごみの種類が変わる場合あり |
「ごみ」または「ガラス」と言っても、その種類は様々です。
多くの自治体ではゴミ辞典と題して、細かいごみの種類別に「何ごみなのか」、「捨て方」が分かる資料を整えています。
自治体はなぜ、ここまで詳しく「ごみ」について定め、説明しているのでしょうか。
それは、燃えないゴミでも資源ごみでも、処理する流れが違うだけで“すべてのごみを限りなく減量化・資源化する”ことを重要視していることに他なりません。
捨てる側の意識1つで資源を、ひいては地球環境を守ることにも繋がります。
是非、検索のひと手間で、限りある資源を限りなく資源にするアクションをしていきましょう。