近年は、生活家電も幅広く販売されています。
しかし故障などで処分するとなると、他の廃棄物とは異なり、処分方法や手順がわかりにくいです。
「生活家電を粗大ごみとして処分する方法を知りたい」、「処分する際の注意点はあるの?」などの疑問を持っている方も多いでしょう。
本記事では、生活家電を粗大ごみとして処分する方法や注意点を紹介します。
生活家電を処分する方法や処分する際の注意点を知りたい方は、ぜひ参考にしてください。
目次
生活家電(白物家電)とは
生活家電とは、日常生活で使用する家電のことです。
家事の負担軽減につながったり、利便性が上がったりするものが多くあります。
また、生活家電は白色のものが多いため、「白物家電」ともいわれています。
具体的に白物家電とは、下記などです。
- 洗濯機
- 冷蔵庫
- 電子レンジ
- エアコン
- 炊飯器
一方で、テレビやカメラなどは「黒物家電」といわれています。
黒物家電は趣味に使用されることが多いため、「娯楽家電」と呼ぶ場合もあります。
家電リサイクル法
「家電リサイクル法」とは、家電製品の収集やリサイクルを円滑におこない、資源の有効活用を促すために制定された法律です。
家電リサイクル法が制定される前は、廃家電製品から一部の金属を回収していましたが、埋め立てられるものも多くありました。
その後、廃棄物の減量や資源の有効利用の必要性が高まり、家電リサイクル法が制定されました。
家電リサイクル法の対象になる家電は、下記の「家電4品目」といわれるものです。
- エアコン
- 冷蔵庫・冷凍庫
- 洗濯機・衣類乾燥機
- テレビ(液晶・プラズマ、ブラウン管)
上記の家電を処分する際には、適切に回収してもらう必要があります。
とくに、無許可の業者には注意してください。
無許可の業者に依頼すると、不法投棄などの問題が発生する場合もあります。
また、家電を適切にリサイクルすることで、鉄や銅などの金属は新たな製品に生まれ変わります。
また、プラスチック類は、サーマルリサイクル(焼却処理した際に発生する熱を回収し、再びエネルギーとして利用すること)が可能です。
家電をリサイクルすることで、限りある資源を大切にできます。
小型家電リサイクル法
「小型家電リサイクル法」とは、資源を有効活用するために制定された法律です。
小型家電には鉄や銅、アルミなどの金属が含まれています。
小型家電リサイクル法は、小型家電に含まれている金属などの資源をリサイクルするため、制定されました。
小型家電リサイクル法の対象になる小型家電は、下記などです。
- 炊飯器
- 電子レンジ
- パソコン
- 携帯電話
- 掃除機
- カメラ
生活家電を粗大ごみとして処分する方法
生活家電の中で粗大ごみとして処分できるのは、家電リサイクル法の対象となる製品以外のものであるため、注意してください。
具体的に粗大ごみとして処分できる生活家電には、下記などがあります。
- 空気洗浄機
- 電子レンジ
- 電気こたつ
- 扇風機
- 掃除機
以下では、上記などの生活家電を粗大ごみとして処分する方法について紹介します。
具体的に生活家電を粗大ごみとして処分する方法は、下記のとおりです。
- 戸別収集
- 処理施設への持ち込み
戸別収集
戸別収集で処分する場合には、下記の4段階があります。
- 事前に予約する
- 粗大ごみに貼るシールを購入する
- 生活家電にシールを貼りつける
- 自治体によって定められている指定日に排出する
1.事前に予約する
戸別収集では、自治体に前もって予約する必要があります。
引越しなどに合わせて処分する場合は、余裕を持って予約するのがオススメです。
2.粗大ごみに貼るシールを購入する
粗大ごみは、シールを貼らなければ回収してもらえないため、処分の際にはシールを購入します。
粗大ごみに貼るシールを購入できる場所と記入内容の例は、下記のとおりです。
購入できる場所 |
・コンビニ ・スーパー ・郵便局 ・金融機関 ・自治体 |
記入内容 |
・収集日 ・受付番号 ・氏名 |
3.生活家電にシールを貼りつける
シールを購入したら、粗大ごみとして排出する家電に貼りつけましょう。
まず、シールへの記入漏れがないかを確認してから貼りつけると、スムーズです。
4.自治体によって定められている指定日に排出する
自治体ごとに粗大ごみを排出する日が設けられているため、指定された日に回収してもらいます。
排出する際には、下記に注意しましょう。
- 申し込みに期限がある
- 収集日や収集時間が決まっている
- 屋外に運び出す必要がある
- 予約が取りにくいケースがある
自治体によっては申し込みに期限を設けていたり、予約が取りにくかったりする場合があります。
そのため早い段階で期限を確認し、予約を取っておきましょう。
例として、佐賀市と大分市の粗大ごみの収集日は、下記のとおりです。
自治体 | 収集日 |
---|---|
佐賀県佐賀市 | 毎月25日までに申し込みすると、翌月の校区ごとの収集日に収集 |
大分県大分市 | 平日および祝日 |
処理施設への持ち込み
処理施設に持ち込んで処分する場合には、下記の4段階があります。
- 事前に予約する
- 粗大ごみに貼るシールを購入する
- 生活家電にシールを貼りつける
- 処理施設に持ち込む
1.事前に予約する
粗大ごみを処理施設に持ち込むには、事前の予約が必要な場合があります。
引越しシーズンや年度末は混雑が予想されるため、注意しましょう。
2.粗大ごみに貼るシールを購入する
処理施設に持ち込む場合にも、粗大ごみに貼るシールが必要です。
忘れずに用意しておきましょう。
3.生活家電にシールを貼りつける
次に家電にシールを貼りつけます。
運搬途中に剥がれないように、しっかり貼りつけましょう。
4.処理施設に持ち込む
自治体によって、持ち込みをする施設が決まっています。
処理施設に持ち込む場合は、身分証明書などが必要な場合があるため、事前に確認してください。
なかには、購入した販売店を把握している場合、販売店での引き取りを定めている自治体もあります。
生活家電を処分する際の注意点
生活家電を処分する際は、適切に扱わなければ事故につながる恐れもあるため、注意が必要です。
以下では、下記の5つの生活家電について、処分する際の注意点を紹介します。
- 洗濯機
- 冷蔵庫
- エアコン
- 電子レンジ
- 炊飯器
洗濯機
洗濯機を処分する際の注意点は、下記の2つです。
- 事前に水抜きしておく
- 引越しの前に処分できるようにスケジュールを組む
洗濯機を処分する際には、事前に水抜きしておきましょう。
水抜きしなければ、運搬する際に床が水浸しになる可能性があります。
水抜きの方法は、洗濯機のメーカーによって異なります。
下記では、縦型洗濯機の一般的な水抜きの流れを紹介するため、参考にしてみてください。
水抜きは、給水ホースと排水ホースの両方でおこないます。
- 洗濯機を空にする
- 洗濯機につなげている蛇口を閉める
- 洗濯機を標準コースで数分回す
- 水が溢れることがあるため、注意しつつ給水ホースを外す【給水ホースの水抜きが完了】
- 1番短い時間に設定し、脱水をおこなう
- 水が溢れることがあるため注意しつつ、排水口から排水ホースを外す【排水ホースの水抜きが完了】
また、洗濯機の処分は、事前予約の必要があるケースが多いです。
そのため計画的に処分しなければ、引越しに間に合わない可能性もあるでしょう。
引越し前に処分したい場合は、後々焦って準備することがないように、早めにスケジュールを組むのがオススメです。
冷蔵庫
冷蔵庫を処分する際の注意点は、下記の3つです。
- 中身を空にしておく
- 運搬する24時間前には電源を切っておく
- 霜取り、水抜きをしておく
運搬するまでに中身は空にし、汚れている部分は綺麗にしておきます。
すぐに空にできない場合のために、クーラーボックスなどを用意しておくと安心です。
冷蔵庫を空にしたら、運搬する24時間前までには電源を切りましょう。
電源を切っておくと、霜が溶け切るまで時間に余裕を持てます。
「霜取り」と「水抜き」は、下記を参考にしておこなってください。
霜取り | 電源を切り扉を開けっぱなしにした状態で、3時間ほど放置する |
水抜き | 水受けに溜まった水を捨てる |
冷蔵庫によって水受けの場所は異なるため、水抜きは取扱説明書を確認しながらおこないましょう。
エアコン
エアコンは処分する前に取り外す必要がありますが、取り外しには注意が必要です。
処分方法によっては、エアコンを自分で取り外す必要性が出てきますが、基本的にはおすすめできません。
エアコンは扱いを誤ると、破裂などの危険性があるためです。
そのため、取り外す場合は業者に依頼すると安心でしょう。
業者にエアコンの取り外しを依頼する際の費用の相場は、5,000〜10,000円ほどです。
事前の予約が必要であるため、余裕を持って依頼しておきましょう。
電子レンジ
電子レンジを処分する際は、分解や解体をしないように注意してください。
分解、解体をすると、事故につながる恐れがあります。
また、電子レンジに限らず、分解した家電は、自治体に回収してもらえない場合が多いです。
炊飯器
炊飯器を処分する際の注意点は、下記の2つです。
- 電池が内蔵されているものは、取り外す必要がある
- 規定のサイズを超えると、粗大ごみになる場合がある
炊飯器は、自治体によっては不燃ごみとして処分できる場合があります。
しかし、リチウム電池が搭載されている炊飯器は、不燃ごみとして処分できないため注意が必要です。
炊飯器の中には、停電防止機能がついている炊飯器など、リチウム電池が搭載されているものもあります。
リチウム電池は、不燃ごみとして処分できません。
そのため、粗大ごみとして処分する方法か、小型家電リサイクル法に従って処分する方法を選択する必要があります。
また、自治体によっては、炊飯器が規定のサイズを超えている場合も、不燃ごみとして処分できません。
あらかじめ自治体の処分方法を確認してから、処分しましょう。
生活家電を処分する方法のまとめ
本記事では、生活家電を粗大ごみとして処分する方法や注意点を紹介しました。
処分する方法は、下記の2つです。
戸別収集 |
1.事前に予約する 2.粗大ごみに貼るシールを購入する 3.生活家電にシールを貼りつける 4.自治体によって定められている指定日に排出する |
処理施設への持ち込み |
1.事前に予約する 2.粗大ごみに貼るシールを購入する 3.生活家電にシールを貼りつける 4.処理施設に持ち込む |
生活家電を処分する際には、水抜きなどの事前準備が必要なものもあるため、注意してください。
また、自治体で定められているルールを前もって確認してから、処分しましょう。