ファッション業界でのトレンドは、目まぐるしく変化しています。
近年はファストファッションが流行り、気軽にさまざまな洋服を着られるようになりました。
一方で、衣類の処分による環境負担も深刻になっています。
「衣類を処分すると環境に影響があるの?」、「古着の処分方法を知りたい」など、疑問を持っている方も多いでしょう。
本記事では、衣類の処分がもたらす環境への影響についてや、古着の処分方法などを紹介します。
目次
日本で処分されている衣類
日本で処分されている衣類は多くあります。
環境省の調査によると、2020年に廃棄された衣類の量は51万トンでした。
リサイクルやリユースされる衣類の量よりも、廃棄される量の方がはるかに多いです。
処分されている衣類が多い理由には、下記が関係しているでしょう。
- ファストファッションの流行
- トレンドの移り変わりの早さ
近年は至るところでファストファッションが流行し、トレンドの移り変わりも激しいです。
洋服を手に入れてから手放されるまでが早いため、処分される衣類も多くなっていると考えられます。
出典:環境省 令和2年度 ファッションと環境に関する調査業務|環境省
衣類の製造や処分が環境に与える影響
衣類の製造や処分が環境に与える影響には、下記などがあります。
- 製造過程で発生する大量の二酸化炭素
- 水の大量消費
- 衣類が廃棄される際に排出される二酸化炭素
製造過程における環境への影響
衣類を製造する過程では、多くのエネルギーを消費し、二酸化炭素を大量に排出します。
以下で環境への影響を詳しく見ていきましょう。
製造過程で発生する大量の二酸化炭素
まず、衣類の製造で環境に影響を与えるものが、大量の二酸化炭素です。
環境省によると、衣類を1着生産するのに排出されるCO2は、25.5キロと推計されています。
また、国立環境研究所 地球環境研究センターによると、下記のように述べられています。
“CO21m3の重さは約1.8kgで、CO2濃度の平均値は3%ですから、人が一日に吐き出すCO2量は約1kgとなります”
引用:ココが知りたい地球温暖化|国立環境研究所 地球環境研究センター
人が1日に吐き出す二酸化炭素の量から考えると、衣類を1着生産するのに排出される二酸化炭素の量が多いことがわかるでしょう。
二酸化炭素は、下記の過程などで生じるといわれています。
- 原材料の調達
- 紡績
- 染色
- 縫製
原材料を調達する際だけでなく、さまざまなプロセスで二酸化炭素が排出されています。
出典:環境省 令和2年度 ファッションと環境に関する調査業務|環境省
水の大量消費
衣類を製造する際には、大量に水を消費します。
環境省によると、衣類を1着生産するのに必要な水は、2,368リットルといわれています。
水は下記の段階などでも必要です。
- 原材料の調達
- 綿の栽培
- 羊毛の栽培
綿や羊毛を栽培する段階で、すでに水が消費されています。
そのため綿に関しては、環境などに配慮して作られる「サステナブルコットン」も登場しました。
出典:環境省 令和2年度 ファッションと環境に関する調査業務|環境省
廃棄時における環境への影響
衣類を廃棄する際も、環境に影響を与えます。
廃棄の段階では、下記のように二酸化炭素が排出されます。
- 処分された衣類を回収する際に収集車から排出される
- 焼却する際に排出される
ゴミとして排出された衣類を清掃工場に運ぶまでにも、二酸化炭素が排出されています。
また、環境省によると、可燃・不燃ゴミに出される衣服のうち、95%が焼却・埋立されているそうです。
1日あたりに焼却・埋立される衣服の総量は、平均で1,200トンにもなるといわれています。
日々大量の衣服が廃棄され、環境に大きな影響を及ぼしていることがわかるでしょう。
ファストファッションが引き起こす労働環境問題
ファストファッションとは、最新のトレンドを取り入れた洋服を短期間で生産し、低価格で販売するブランドや業態のことです。
多くの人が利用している一方で、背景には労働環境問題が潜んでいます。
以下では、ファストファッションが引き起こす労働環境問題を紹介していきます。
長時間労働
ファストファッション界の労働者は、長時間労働を強いられているケースも多いです。
人手不足の中でも需要に追いつくため、休まず働いている人も多くいる可能性があります。
さらに、下記などの劣悪な環境にも問題があります。
- 非衛生的な環境
- 安全管理ができていない
低賃金
ファストファッション界では、低賃金で働かされている人が多くいます。
もともとファストファッションが低価格で手に入る理由は、労働賃金が安い途上国で生産されているためです。
労働に見合った十分な報酬が得られず、最低限の暮らしもままならないほどの労働者がいるともいわれています。
衣類の処分による環境問題を防ぐためにできること
衣類の処分による環境問題を防ぐためにできることは、下記のとおりです。
- 長く着られる洋服を選択する
- 環境負荷の少ない洋服を選択する
- 古着を選択する
- レンタルする
長く着られる洋服を選択する
衣類の処分による環境問題を防ぐためには、できる限り長く着られる洋服を選択しましょう。
1つの洋服を大切にしながら長い期間着ることができれば、処分する洋服の量を減らせます。
衣類を購入する際には品質やデザインに注目し、長い期間着られるかどうかも基準に選んでみてください。
環境負荷の少ない洋服を選択する
衣類の処分による環境問題を防ぐためには、環境に優しい洋服を選択しましょう。
環境に優しい洋服とは、下記などの繊維を使用して作られるものです。
- レーヨン
- 綿
- ウール
- リネン
- 麻
また、コットンやリネン、麻などの天然素材であれば、マイクロプラスチックによる海洋汚染を防げます。
マイクロプラスチックは、小さなプラスチックのかけらのことです。
合成繊維が使用された衣類を洗濯すると、マイクロプラスチックが発生します。
マイクロプラスチックが川や海に流出することで、海洋生物にも影響を与えています。
流出を防ぐためには、洗濯ネットを使用したり、環境負荷の少ない洋服を選択したりすることが必要です。
古着を選択する
衣類の処分による環境問題を防ぐためには、古着を選択しましょう。
古着であれば、下記のように環境負荷を軽減できます。
- 新たに衣類を製造する際のエネルギー消費や、二酸化炭素の排出を防げる
- 廃棄する衣類を削減できる
街中にも古着屋は多くあるため、洋服を購入する際に覗いてみるのもおすすめです。
レンタルする
衣類の処分による環境問題を防ぐためには、レンタルを利用しましょう。
近年は、気軽に洋服をレンタルできるサービスが増えました。
月額で数着洋服をレンタルできるため、新たに購入する必要がなくなります。
レンタルすれば、廃棄する衣類を削減できるため環境に優しく、洋服代の節約も可能です。
さまざまなレンタルサービスがあるため、気になる方は試してみてください。
古着の処分方法
古着の処分方法は、下記のとおりです。
- ゴミとして処分する
- 販売店による回収を利用する
- オークションやフリマアプリで売る
- リサイクルショップで売る
- 寄付する
- 不用品回収業者に引き取ってもらう
ゴミとして処分する
古着は、自治体でゴミとして処分する方法があります。
下記のように、衣類が汚れているか汚れていないかによって処分方法が異なる場合が多いです。
汚れている場合 | 少量であれば、燃えるごみの日に排出 |
---|---|
汚れていない場合 | 資源ごみとして排出 |
しかし、処分する際のルールは自治体によって異なります。
事前にルールを確認してから、処分するようにしてください。
販売店による回収を利用する
古着は、販売店による回収も利用可能です。
最近は、古着を無料で回収しているアパレルブランドも増えています。
販売店によって回収された古着は、
店内に回収ボックスが設置されている場合が多いため、着なくなった洋服を持って行くだけで回収してもらえます。
オークションやフリマアプリで売る
古着は、オークションやフリマアプリで売ることが可能です。
売却して引き取ってもらうことで、衣類を処分せずに済みます。
メリットやデメリットには、下記などがあります。
メリット |
・自分で販売価格を決められる ・自宅で簡単に出品できる ・ブランドや状態によっては、高く売れる可能性がある |
---|---|
デメリット |
・出品や発送手続きなどを自分でおこなう必要がある ・必ず売れるとは限らない |
出品などは慣れればスムーズにできるでしょう。
しかし、出品用の写真を撮影する必要があるため、時間に余裕がある方におすすめです。
リサイクルショップで売る
古着はリサイクルショップでも売れます。
売却すれば、ゴミとして廃棄される衣類を減らせます。
メリットやデメリットは、下記のとおりです。
メリット |
・すぐに現金化できる ・出品や発送手続きなどが必要ない |
---|---|
デメリット |
・値がつかない可能性がある ・状態が悪ければ減額される可能性もある |
また、リサイクルショップで売る場合は、お店に洋服を持って行くだけでいいため、忙しい方も利用しやすいでしょう。
寄付する
古着は寄付することも可能です。
寄付方法には、下記などがあります。
- 団体を介して寄付する
- 児童養護施設などに直接寄付する
団体に寄付された古着は、主に発展途上国などに届けられます。
また、寄付する際には下記のように注意点があるため、確認してから送りましょう。
- 汚れがあったり痛んだりしている洋服など、受付できない衣類がある
- 事前に連絡が必要な場合がある
- 洗濯かクリーニングで洋服を綺麗な状態にしてから送る
不用品回収業者に引き取ってもらう
古着は、不用品回収業者に引き取ってもらえます。
メリットやデメリットは、下記のとおりです。
メリット |
・好きなタイミングで処分できる ・他の不用品と一緒に処分できる |
---|---|
デメリット |
・費用がかかる ・業者を選ぶ必要がある |
なかには無許可で運営している業者もあるため、注意してください。
衣類の処分が環境にもたらす影響のまとめ
本記事では、衣類を処分すると環境にもたらす影響や、古着の処分方法などを紹介しました。
日本で処分されている衣類は多くあります。
衣類は処分される段階や製造の段階でも二酸化炭素を排出し、環境に大きな影響を与えています。
環境問題を防ぐために、下記を意識してみましょう。
洋服の購入を検討しているとき |
・長く着られるか ・環境負荷の少ない素材か ・古着を選択できないか ・レンタルできないか |
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古着を処分しようと検討しているとき |
・販売店の回収を利用できないか ・フリマアプリなどで売却できないか ・寄付できないか |
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