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2023.09.25

リサイクルできない紙がある?紙の種類の注意点を解説!

リサイクルできない紙がある?紙の種類の注意点を解説!

新聞や段ボールなどは大部分がリサイクルされていますが、なかには昇華転写紙などリサイクルできない紙もあります。
再生可能な紙にリサイクルできない紙を混ぜると、製造過程でトラブルを引き起こす原因にもなるため注意が必要です。

しかしリサイクルできない紙について、詳しく知らない方も多いと思います。

そこで本記事では、リサイクルできない紙の種類について、注意点を詳しく解説します。
一部の紙がリサイクルできない理由や、紙をリサイクルするときの注意点なども解説するため、参考にしてみてください。

紙のリサイクルの重要性

紙のリサイクルの重要性

紙をリサイクルすることで得られるメリットは多くあり、リサイクルは地球環境のためにも重要な役割をもっています。
具体的に紙のリサイクルは、以下の理由から重要性が高いです。

  • 環境の保護
  • 資源やエネルギーの節約

環境の保護

紙をリサイクルすることは、環境の保護につながります。
紙を一から作る場合には森林を伐採する必要がありますが、森林は大気中の二酸化炭素を吸収する働きをもっています。
そのため森林を伐採すると吸収される二酸化炭素の量が減り、温室効果ガスが増える原因になります。

また、木材から紙を作る場合は、製造過程でも多くの二酸化炭素を排出するため、紙をリサイクルすることで廃棄物として処理する紙を減らし、ゴミを処理する過程で発生する二酸化炭素を削減することが重要です。

近年はペーパーレス化が進んでいるため、以前よりは紙の消費量も減少していますが、国別で見ると現在も日本における紙の消費量は多い状況です。
そのため、再利用可能な紙のリサイクルが重要といえます。

資源やエネルギーの節約

紙の原料である木材は限られた資源であり、伐採することで着々と減っていきます。
そのため紙をリサイクルすることで、森林資源の消費を抑えられ貴重な資源を守ることが可能です。

また、木材から紙を作る場合は、製造過程で電気や熱などのエネルギーを使用します。
電気は火力発電の場合、天然ガスや石炭、石油などの化石燃料から作られ、熱も化石燃料から作られている場合が多いです。
しかし日本では、化石燃料を輸入でまかなっている部分が大きいです。

資源エネルギー庁によっても、以下のように述べられています。

”日本におけるエネルギー供給は、その8割を化石燃料が占め、またそのほとんどを海外に依存しています”
引用:経済産業省 資源エネルギー庁|さまざまなエネルギーの低炭素化に向けた取り組み

日本では化石燃料が採れにくいため輸入に頼っていますが、海外でも化石燃料には限りがあるため、節約しなければいずれ枯渇してしまいます

エネルギーには限りがあるため、紙をリサイクルしてエネルギーを節約することで資源の枯渇を抑えられます。

リサイクルできる紙の種類

リサイクルできる紙の種類

リサイクルできない紙の種類を解説する前に、まずリサイクルできる紙の種類を確認しておきます。
リサイクルできる主な紙の種類は以下のとおりです。

  • 新聞
  • 段ボール
  • 雑誌
  • 紙パック
  • 雑紙

1つめは新聞です。
新聞は自治体などによって頻繁に回収されており、リサイクルされると再び新聞紙などに生まれ変わります。

2つめは段ボールです。
段ボールは自治体や古紙回収業者などによって回収されており、リサイクルされると再び段ボールなどに生まれ変わります。

3つめは雑誌です。
雑紙は自治体や不用品回収業者、スーパーなどの店舗で回収されており、リサイクルされると雑誌や書籍、絵本などに生まれ変わります。

4つめは紙パックです。
紙パックは自治体や店舗などで回収されており、リサイクルされると再び紙パックなどに生まれ変わります。
紙パックの内側にアルミ箔が使用されている場合は、リサイクルできません。

5つめは雑紙です。
雑紙は集団資源回収などによって回収されます。
以下が雑紙の例です。

  • 包装紙
  • 紙袋
  • 封筒
  • ハガキ
  • ノート
  • ティッシュの箱、お菓子の箱
  • トイレットペーパーの芯

包装紙や紙袋などの雑紙はリサイクルされると、段ボールなどに生まれ変わります。

リサイクルできない紙の種類

リサイクルできない紙の種類

リサイクルに適さないものを「禁忌品」といいますが、紙にも禁忌品があります。
リサイクルできない主な紙の種類は、以下のとおりです。

  • 汚れがついた紙や臭いがついた紙
  • 昇華転写紙
  • 感熱性発泡紙
  • 雑誌やカタログについているサンプル
  • 写真などの印画紙
  • クッキングシートなどの硫酸紙
  • マスクなどの不織布

自治体によるルールをあらかじめ確認する必要がありますが、リサイクルできない禁忌品は可燃ゴミに分類されることが多いです。

汚れがついた紙や臭いがついた紙

以下のような汚れや臭いがついた紙は、リサイクルできません。

  • 香水の試供品がついた雑誌
  • 線香箱
  • 石鹸の包装
  • 使用後のペーパータオル
  • 食べかすがついた紙

無意識にリサイクルできる紙と一緒に混ぜないように注意してください。

昇華転写紙

昇華性のインクを使用して文字などが書かれた紙を昇華転写紙といい、カバンなどに入っている緩衝材に使われている場合もあります。
昇華転写紙を古紙と一緒にすると、インクが滲み出てしまうためリサイクルできません。

感熱性発泡紙

感熱性発泡紙は主に点字印刷物に使用されており、熱を当てたところが盛り上がる仕様になっています。
感熱性発泡紙をほかの製紙原料と混ぜると、製造過程でトラブルを引き起こすためリサイクルできません。

雑誌やカタログについているサンプル

雑誌やカタログには、よく化粧品などのサンプルがついています。
サンプルはリサイクルできないため、雑誌をリサイクルに出す前にサンプルがはさまっていないか確認してください。

また、雑誌にシールなどがはさまっている場合もあるため、十分に注意する必要があります。

写真などの印画紙

写真をプリントアウトする際によく使われる紙を印画紙といいますが、印画紙はリサイクルできません。
写真を廃棄する際には注意してください。

クッキングシートなどの硫酸紙

硫酸紙は滑らかな半透明の薄い紙のことを指し、クッキングシートなどに使われています。
食品の包装紙や便箋などに使われている場合もあるため、廃棄する前に確認してください。

マスクなどの不織布

不織布の原料にはプラスチックが使われていることも多いですが、マスクなどの不織布はリサイクルできません。
なかには不織布のペーパータオルなどもあるため、注意してください。

以上で紹介したリサイクルできない紙の種類のほかにも、圧着ハガキやラミネート紙などリサイクルできない紙があります。
再利用可能か否かがわかりにくい場合は、自治体に確認してから処分するようにしてください。

一部の紙がリサイクルできない理由

一部の紙がリサイクルできない理由

なぜリサイクルできない紙があるのか把握しておくことで、適切に分別ができるように注意を向けられます。
そのため本章では、一部の紙がリサイクルできない理由を確認しておきます。

一部の紙がリサイクルできない理由は、以下のとおりです。

  • 紙をリサイクルする過程で機械の故障につながる
  • 不良品が生じる

圧着ハガキののり部分やシールが機械に付着し、機械が故障する原因になることがあります。
金属やプラスチックなど紙以外のものが混ざることによっても、製紙工場の機械が正常に動作しなくなる可能性が高いです。

また、昇華転写紙はインクを取り除くことが困難なため、再生紙の品質低下を引き起こします。
感熱性発泡紙は乾燥させる際に影響を与え、滑らかな再生紙が製造できない可能性があるためリサイクルできません。

他にも、臭いがついた紙や食品の食べかすがついた紙は、製品に臭いがうつったり衛生上の問題が生じたりする可能性もあるため、リサイクル不可能です。

紙をリサイクルするときの注意点

紙をリサイクルするときの注意点

紙をリサイクルする際の注意点は、以下のとおりです。

  • 紙は種類別に分別
  • 紙以外のものや再生できない紙は除外

紙は種類別に分別

紙は種類別に分別することで、スムーズなリサイクルが可能です。
紙は大きく新聞、段ボール、雑誌(単行本など)、紙パック(紙パックマークがついているもの)、雑紙に分類できます。
リサイクルに出す前に新聞であれば新聞のみでまとめ、雑誌であれば雑誌のみでまとめる必要があります。

また、自治体によって回収のルールが異なる場合もあるため、確認してからリサイクルに出すようにしてください。

紙以外のものや再生できない紙は除外

紙以外のものや再生できない紙は除外してください。
たとえばカレンダーについているホチキスなどの金具やビニール包装など、取り外すのを忘れやすいものも多いため、注意が必要です。

そのほかに、リサイクルできない紙も取り除く必要があります。
前述した汚れや臭いがついた紙や昇華転写紙などにも注意してください。

また、紙には、以下のようにリサイクルの適性をA〜Dの4段階に分類する「古紙リサイクル適性ランク」があります。

A 紙、板紙へのリサイクルにおいて阻害にならないもの
B 紙へのリサイクルには阻害だが、板紙へのリサイクルには阻害にならないもの
C 紙、板紙へのリサイクルにおいて阻害になるもの
D 微量でも除去できないため、紙と板紙へのリサイクルが不可能なもの

Aランクのものは紙にも板紙にもリサイクル可能で、新聞紙や雑誌、絵本などに再生されます。
Bランクのものは板紙にリサイクル可能で、段ボールや絵本などに再生されます。

資材のランクの例を一部のみ挙げると、以下のとおりです。

  A B C D
アート紙、コート紙、上質紙など ポリエチレン等樹脂コーティング紙、グラシンペーパーなど 硫酸紙、カーボン紙、感熱紙、圧着紙など 昇華転写紙、感熱性発泡紙など
インキ類 オフセットインキ、スクリーンインキなど 水性グラビアインキ、UVインキなど 感熱インキなど 昇華性インキ、発泡インキなど
加工資材 製本用針金、水溶性のり、光沢コートなど 製本用糸、光沢ラミネート(PP貼り)など クロス貼り(布クロス、紙クロス)など

以上のようにA〜Dまでランクがつけられます。
再生可能な資材の中にCランクやDランクの資材が混ざらないように、細心の注意を払ってください。

リサイクルできない紙の種類のまとめ

今回は、リサイクルできない紙の種類について、注意点を詳しく解説しました。
リサイクルできない紙は以下のとおりでした。

  • 汚れがついた紙や臭いがついた紙
  • 昇華転写紙
  • 感熱性発泡紙
  • 雑誌やカタログについているサンプル
  • 写真などの印画紙
  • クッキングシートなどの硫酸紙
  • マスクなどの不織布

とくに雑誌にはさまっているサンプルなどは、気づかず雑誌をリサイクルに出している場合も多いです。

また、汚れや臭いがついた紙なども、間違えて再利用可能な紙と混ぜてしまうことが多いかと思いますが、十分に注意し廃棄してください。

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