スーパーでおなじみの食品トレーは、年間で大量に使われている資源でもあります。
正しく回収に出すと、食品トレーのリサイクル率向上につながり環境を守ることにも役立つのです。
本記事ではスーパーのトレー回収が何のためにあるのか、どうリサイクルされるのかを解説するためぜひ参考にしてください。
目次
スーパーの食品トレー回収は何のためにある?

スーパーの食品トレー回収は、使い終わった後、廃棄物として処分するのではなく資源として活かすための仕組みです。家庭で洗って分別したトレーは、回収後に選別や洗浄を経て、新しい食品トレーへ生まれ変わるのです。
特にスーパー店頭の回収ボックスがどのような役割を持つのか、以下で詳しく解説します。
食品トレーは「ごみ」ではなく再利用できる資源
食品トレーは、正しく回収すれば再利用できる資源です。
肉や魚、惣菜などに使われたトレーは、家庭で不要になった時点では廃棄物に見えます。しかし、汚れを落として分別すれば、リサイクル工場で原料として扱えるのです。
回収した使用済みトレーを原料に戻し、再び食品トレー容器を作る仕組みを「トレーtoトレー」と呼びます。
ただ捨てるのではなく、洗って回収に出すだけで、家庭からリサイクルの流れに参加できるのです。
回収ボックスに集まる食品トレーは意外と多い
スーパーの回収ボックスには、想像以上に多くの食品トレーが集まっています。
山形選別センターに1日3〜3.5トン、枚数では約75万枚のトレーが集まると紹介されています。県内165店舗、東北6県では1087店舗のスーパーから集められており、各地で回収されたトレーが再利用され、資源として役立っているのです。
店頭回収は、家庭の小さな行動をまとめて資源循環につなげる仕組みといえるでしょう。回収ボックスに入れる一枚が、リサイクル工場へ届く資源の一部になるのです。
食品トレー回収はリサイクルの入口になる
食品トレー回収は、資源節約や廃棄物削減につながる身近なリサイクル活動です。
洗って乾かした使用済みトレーがスーパー店頭などの回収ボックスに集められ、配送後のトラックの帰り便で引き取られる仕組みもあります。しかし消費者、店舗、包材問屋、メーカーが関わるため、家庭での分別がなければ成り立ちません。
食品トレーをそのままごみ袋に入れれば、燃やすごみとして廃棄される結果になります。だからこそ食品トレーを洗い、スーパーの回収に持ち込む行動こそがリサイクルへの第一歩になるのです。
食品トレーは何から作られている?ナフサとの関係

食品トレーは、石油由来の原料と深く関係するプラスチック製品です。
原料価格の変動は食品トレーの製造コストに影響し、商品価格にも関係する場合があります。近年注目されている、食品トレーとナフサの関係を、以下で詳しく解説します。
ナフサはプラスチック製品の原料になる石油由来の素材
ナフサは、プラスチック製品の原料になる石油由来の素材です。原油を精製する過程で生まれる無色透明の液体で、「粗製ガソリン」とも呼ばれています。
この食品トレーの多くはプラスチック製品であり、石油から精製されるナフサも使われているのです。だからこそ新しく食品トレーを生産するのではなく、今あるものを再利用する仕組みが石油由来の新しい原料に頼りすぎないための取り組みでもあります。
ナフサ価格の影響で食品トレーの価格も上がりやすい
食品トレーの価格は、ナフサ価格や原材料費の影響を受けやすい傾向があります。
中東情勢の悪化によるナフサ不足を背景に、石油由来のナフサを原料に使う食品トレーが、業界全体で値上げ傾向にあります。
食品トレーはスーパーや食品メーカーにとって欠かせない包装資材です。そのため、原材料費が上がると、企業の仕入れコストや製造コストに影響します。
回収したトレーを再生原料として使えれば、新しいナフサ由来原料の使用量を減らし、食品価格の上昇を抑えるきっかけにもなるのです。
値上げは企業だけでなく消費者にも関係する
食品トレーの値上げは、企業だけでなく消費者にも関係します。
トレーは肉、魚、惣菜、弁当など幅広い食品に使われています。包装資材の価格が上がると、食品を販売する企業の負担が増え、最終的に商品価格へ反映される可能性があります。
つまり、トレー回収を推進する理由は決して環境面だけの話ではありません。生活に身近な食品価格にも関わる資源循環の取り組みなのです。
回収された食品トレーはどうリサイクルされる?

回収された食品トレーは、店頭から工場へ運ばれ、選別や洗浄などの工程を経て再び原料になります。
家庭で正しく出されたトレーほど、回収後のリサイクル工程に回しやすくなります。どのようにリサイクルされているのか、流れを知っておきましょう。
スーパーの店頭からリサイクル工場へ運ばれる
店頭の回収ボックスに入れられた食品トレーは、回収ルートを通じてリサイクル工場へ運ばれます。
まず、洗って乾かした使用済みトレーがスーパー店頭などの回収箱に集められます。その後、商品配送後の帰り便を活用して引き取られ、再生処理されるのです。
これこそ消費者が買い物のついでに持ち込んだトレーが、再び食品トレーの原料として活用される循環構造です。家庭、店舗、物流、メーカーがつながるため、回収ボックスは単なる置き場ではありません。
食品トレーを店頭へ戻す行動は、リサイクル工場へ資源を届ける第一歩です。
工場で白いトレーと色付きトレーなどに選別される
回収された食品トレーは、リサイクル工場で種類ごとに選別されます。
大量のトレーを白と色付きのものに分ける選別作業を行い、その後圧縮されて別の工場で洗浄や粉砕を経てリサイクルトレーに生まれ変わるのです。
なお選別の際に汚れが残ったトレーや対象外の容器が混ざると、現場で取り除く作業が増えてしまいます。
食品トレーは汚れがついたままにせず、回収ボックスへ出す前に洗って乾かす意識がリサイクル率向上につながるのです。
食品トレーをリサイクルすると何が変わる?
食品トレーをリサイクルすると、新しい原料の使用量を抑え、資源循環を進めやすくなります。
石油由来原料の価格変動を受けにくくするうえでも、回収と再生の仕組みは重要です。食品トレーのリサイクルによる変化を、以下で解説します。
新しいナフサ由来原料の使用を減らせる
食品トレーをリサイクルすると、新しいナフサ由来原料の使用量を抑えやすくなります。
回収したトレーを再生原料として使えば、石油由来の新品原料だけに頼らずに食品トレーを作れます。
限りある資源を使い続けるだけでは、原料価格の変動や供給不安の影響を受けやすくなり、いずれ私たちの生活費も負担が増加する原因につながります。だからこそ回収トレーを再利用する仕組みは、資源の節約にも役立つのです。
価格改定の負担を抑えることにもつながる
食品トレーのリサイクルは、価格改定の負担を抑える面でも意味があります。
回収した使用済みトレーを再生原料にして再びトレーを作ることで、価格改定の負担を抑える効果も期待できます。
もちろん、リサイクルだけですべての値上げを防げるわけではありません。しかし、原油価格やナフサ価格の影響を受けやすい食品包装において、再生原料を使う意義は大きいと言えるのです。
使い捨てから資源循環へ変えるきっかけになる
食品トレー回収は、使い捨てから資源循環という考え方へ変えるきっかけになります。
回収した使用済みトレーやPETボトルを原料に戻し、再び食品トレーを作る「トレーtoトレー」の循環型の仕組みは、廃棄するだけだった包装資材の軽減につながります。
食品トレーは使ったら終わりではありません。回収へ出すだけで、資源循環の流れに戻せることを普段から意識しておきましょう。
食品トレー回収に出す前に家庭でできること

食品トレーを回収に出す前には、リサイクルの品質と衛生を保つ意識が大切です。
そこで家庭で心がけたい、ひと手間の準備を確認していきましょう。
乾かしてから回収ボックスへ入れる
食品トレーは、洗ったあとに乾かしてから回収ボックスへ入れてください。
濡れたままのトレーや容器はカビが生える場合があり、リサイクルできなくなる可能性があります。水分が残ったまま袋に入れると、においやカビの発生につながるため、風通しのよい場所でしっかり乾燥させましょう。
家庭では食器洗いのついでに水ですすぎ、水切りかごなどで乾かしてから持参すると続けやすくなります。
洗う、乾かす、回収ボックスへ入れるという流れを習慣にすると、リサイクルの質を保ちやすくなります。
対象外の容器を混ぜない
食品トレー回収では、対象外の容器を混ぜない対応が重要です。
エフピコは、使用済みトレー以外のものやレジ袋を回収ボックスに入れないよう案内しています。輪ゴムやひもでまとめる必要もなく、混ざると工場で取り除く作業が発生します。
同じ食品トレーでも、店舗の回収対象に入らないものがあります。たとえば、強い汚れが残る容器、素材が違う容器などは、むやみに回収ボックスに入れてもリサイクルできないケースがあります。
特にシールや印刷の扱いが指定されている容器などは、店頭表示の確認が必要です。だからこそ回収ボックスへ入れる前には、店舗の案内や自治体のルールを見て、対象品だけを出しましょう。
まとめ
スーパーの食品トレー回収は、使い終わったトレーを資源として再利用するための仕組みです。
食品トレーは石油由来のナフサと関係するプラスチック製品であり、原材料費の高騰や国際情勢の影響を受けやすい面があります。そのため、使用済みトレーを回収して再生原料として活用する意義は大きいといえます。
これまで燃やすごみとして処分していた場合も、買い物のついでに食品トレーを回収ボックスへ戻すことを意識してみましょう。一人ひとりの心がけが、資源節約、ごみ削減、価格上昇の抑制につながります。
