壊れてしまった傘や、使わない傘は放っておくと玄関のスペースを圧迫してしまいます。
しかし、傘はそのまま燃えるゴミとして出しても問題ないのか、どう分別すればいいのかわかりづらいと悩んでいる人も多いのではないでしょうか?
傘の処分方法は、ゴミとして出すだけでなくリサイクルするなど環境に配慮した手放し方があります。
この記事では傘を処分する方法と注意点、傘ならではのリサイクル方法をご紹介します。
傘を処分する5つの方法
傘を処分する方法の違いと、それぞれのメリットとデメリットを元に、自分に合った方法を探しましょう。
自治体のルールに従って不燃ゴミや粗大ゴミに出す
自治体のルールでは、傘を不燃ゴミとするところがあれば、粗大ゴミの扱いになるところもあります。
一部の自治体の場合は一辺が30cm以上の場合、粗大ゴミに指定しているところもあるのです。その場合は、ゴミ袋に入れるのではなくコンビニや郵便局などで、処理手数料分の粗大ゴミ処理券(粗大ゴミ処理シール)を購入する必要があります。
この処理券がない状態だと、たとえゴミ収集場所まで傘を持っていっても、回収されないため注意しましょう。
傘を分解したうえでゴミに出す
ビニールや布部分を可燃ゴミ、金属部分だけを不燃ゴミとして出す自治体もあります。この場合は粗大ゴミではないため、処理手数料がかからず、地域のゴミ収集場所に出せることが多いです。
ただし傘は使われている素材がさまざまあり、プラスチックでできた持ち手もあれば木製もあります。また、折り畳み傘の場合はさらにパーツが細かく分類されており、分解に手間がかかるため注意しましょう。
買取に申し込む
状態がきれいな傘や人気ブランドの傘などは、中古品として売却する方法もあります。
特にブランド品の傘は、リサイクルショップやブランド品買取専門店などで売却できます。
未使用はもちろん、中古であっても買取してもらえる可能性があるため、壊れていない傘であれば査定に出してみてはいかがでしょうか。
ただし、店舗によっては買取できる傘のブランドを制限していたり、購入してから年数が経過している古い傘だと、たとえきれいでも買取できないケースがあります。
まずは処分する予定の傘が買い取れるブランドかどうか、問い合わせることをおすすめします。
不用品回収業者に引き取りを依頼する
不用品回収業者に依頼をすると、傘をパーツごとに分解したり、粗大ゴミ処理券を購入したりする手間なく、自宅にいながら処分できます。
傘だけでなく、ほかの不用品とまとめて処分したい人に特におすすめの方法です。ただし気をつけたいのは、不用品回収業者によっては不当な料金を請求してくる悪徳業者もあることです。
安い見積もりを出しておきながらも、後からオプションなどを追加して高額な料金を請求してくるケースがあるのです。そのため、不用品回収業者は信頼できるところを選ぶ必要があります。
傘の無料回収ボックスに出す
傘は無料回収ボックスが増えており、スーパーなどに専用ボックスが置かれているところもあります。
たとえばビニール傘など、急な雨で必要になる時はめずらしくありません。使わないビニール傘を店の前に置いて、必要な人に使ってもらおうという取り組みは少しずつ全国に広がっています。
そのまま処分するにはもったいないものの、買取がむずかしいビニール傘などがあれば、無料回収ボックスやリサイクルに出してみましょう。
壊れた傘の放置は危険!早めに処分しよう
傘は壊れやすいものもあり、少し破損したものだとそのまま使っている人もいます。または壊れた傘を傘立てに放置したまま、ほかの傘を買い足して使っている方も多いのではないでしょうか?
つい処分方法がわからないと後回しにしてしまいがちですが、壊れたままの傘を使うことは、とても危険であり自分自身や誰かを傷つける事故につながるのです。
たとえば、傘の金属の骨が出た状態を放置すると、体や顔に刺さるリスクがあります。
また使っているうちに、傘の固定パーツや先端部分などの細かい部分が気づかないうちにとれるなど、道端にゴミを落とす可能性もあるのです。
傘の不法投棄や店舗の置きっぱなしは違法
傘は忘れてしまいやすく、雨の日に盗難される事件が数多く報告されています。中にはバレないからと、そのまま傘を店舗の傘立てに放置する人もいるのです。これは不法投棄に該当する行為であり、たとえ傘が不要になってもやってはいけません。
また、公園のゴミ箱にむやみに捨てたり、ほかの不法投棄されているゴミがある場所に、一緒に捨ててしまうことももちろん違法です。傘に使われている金属やビニールをポイ捨てすることは、環境汚染の原因です。
ポリエステルやビニール削減、正しいリサイクルを心掛けて、地球を守りましょう。
まだ使える傘はリサイクルしよう
傘はさまざまな形でリサイクルやリユースされています。傘は再利用できるパーツも多く、世界中に必要としている人がいます。
ビニール傘などは安く買えるからと、つい雑に扱いがちです。しかし、リサイクルできる傘は、きちんと正しい手順を踏んでリサイクルすることをおすすめします。
ここでは、リサイクルやリユースの方法の具体的な方法を見ていきましょう。
発展途上国にリユース品として送る
発展途上国への贈り物として、傘をリサイクルする団体が増えてきています。
恵まれない子供たちにプレゼントしたり、使える傘のパーツをリメイクしたりと、国外で必要とする人々に贈っているのです。
まだ使える傘であるものの、売却するには定価が安いビニール傘やノーブランド品の傘があれば、海外に寄付することを検討してみてはいかがでしょうか。
寄付の申し込みはインターネットから手続きできるうえ、贈りたい傘を指定の住所まで郵送するか持ち込むだけです。使わない傘が無駄にならず、プラスチックやビニールの削減につながるため、ぜひ寄付先を探してみてはいかがでしょうか。
ハンドメイドで使わない傘をリメイクする
傘は雨を弾くとても頑丈な素材でできているため、ハンドメイドでリメイクすることも人気です。特にエコバッグの素材として、傘布を縫って再利用するリメイク品は、ミシン1つで誰でも作れるとあって注目されています。
エコバッグは食べ物を入れるため、水を通さず軽量な傘布との相性が抜群です。お気に入りの柄である傘が壊れてしまい、傘としてはそのまま使えない場合でもリメイクすれば、別の形で使い続けられるのです。
傘の骨組み部分だけを処分すれば、ゴミの排出量も減らせるので、環境に配慮したい方にもおすすめです。
傘を駅やレンタルサービスに寄付する
無料の傘レンタルを実施している駅や、店舗に寄付することもゴミを減らして、再利用できるエコな方法です。
駅に傘を寄付できる場所が用意されているため、利用する駅にないか調べてみてはいかがでしょうか。ただし、ビニール傘のみなど種類が限定されている可能性もあるため、不安であれば事前に問い合わせておくと安心です。
また、自治体で使わない傘を回収して、施設などにレンタル傘として置く取り組みをしているボランティア団体に寄付する方法もあります。
傘を処分する時の注意点
傘を処分する時は、ルールを守るだけでなく傘の種類に合った方法で手放す必要があります。
処分にまつわる注意点を知り、リサイクルにつなげていきましょう。
事前に自治体で傘が何ゴミか調べる
傘は自治体によって、ゴミの分類が異なります。また、そのままゴミとして出せるところもあれば、粗大ゴミの扱いになる地域もあります。
まずは今住んでいる自治体のゴミの出し方のポスターや、配布されるハンドブックなどで、傘が何ゴミに分類されるか調べましょう。
わからない場合は、自治体の役所の環境課のホームページなどをチェックしてください。
通常の傘と折り畳み傘で処分方法が違う
通常の傘と折り畳み傘は使われているパーツに違いがあります。折り畳み傘はサイズが小さいため、そのまま燃えるゴミとして処分する人もいますが、金属部分が使われているため分別が必要な自治体も多くあります。
必ず自治体指定の処分方法をもとに、必要であれば分別しましょう。なお折り畳み傘でも、広げた時に50㎝以上の大きさになるものは、基本的に粗大ゴミの扱いになるケースがほとんどです。
傘の布と、骨組みは分けて、それぞれのゴミとして処分してください。また、傘の骨組みの素材は、必ずしも金属とは限りません。最近は折り畳み傘の軽量化のために、グラスファイバーを使っているものが増えています。
このグラスファイバーは、繊維強化プラスチックのことでガラス繊維とプラスチックを混ぜて固めた素材です。ガラス繊維の細かい素材の影響で、分解時に細かいギザギザが刺さってしまう危険性もあります。
また、金属とは違うため素材に合った方法で分別することも必要です。
傘の分解時にケガをしないよう対策する
傘の骨組部分は鋭利で、分解時や壊れている傘を片付ける際にケガをしがちです。
安全に傘を処分するためにも、分解が必要な場合は必ず軍手をつけて作業をしましょう。
また、金属部分にぶつかって切らないように長袖を着ることもおすすめです。手の力だけで分解するには、硬くて困難な傘もあります。ペンチやニッパーなど分解に使える道具がないと、無理をしてさらにケガをするリスクが高いため、道具を用意するか寄付や不用品回収業者に依頼をするなど、分解しない方法での処分やリサイクルを検討しましょう。
まとめ
傘はゴミとして処分する際に、分別が必要になることもあるため自治体ごとの処分方法をチェックしましょう。
また、まだ使える傘なら寄付やリメイクといった、リサイクルにつなげる処分方法もあります。環境にやさしい方法で傘を処分するように、できる限り配慮しましょう。