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2026.06.10

話題のサーキュラーエコノミーとは?実際の事例をもとに紹介!

話題のサーキュラーエコノミーとは?実際の事例をもとに紹介!

サーキュラーエコノミーは、資源を無駄にせず、社会の中で資源を循環させることを目指す新しい経済の考え方です。

従来の「作って・使って・捨てる」一方通行というシステムでは、資源不足や気候変動問題につながる点が懸念されていました。今後も地球環境を守り資源を無駄にしない社会を作る対策として、今世界中でサーキュラーエコノミーが注目されています。

本記事ではその基本概念から、企業や行政が取り組む具体的な事例を紹介します。そして私たちの暮らしにどのような変化をもたらすのかを、わかりやすく解説します。

目次

サーキュラーエコノミーとは?

サーキュラーエコノミーとは?

サーキュラーエコノミーとは、資源を使い捨てにせず、できるだけ長く社会の中で循環させる経済の考え方です。

ここでは、基礎として知っておきたいサーキュラーエコノミーに関する説明や、これまでの「作って・使って・捨てる」との違いを解説します。

サーキュラーエコノミーは資源を循環させる経済の考え方

サーキュラーエコノミーとは、製品や素材を廃棄物にせず、修理、再利用、再製造、リサイクルなどで循環させる仕組みを指します。

よく似た印象のリサイクルは再利用、再資源化などが主な目的で、ごみを減らす資源循環の形の一つでした。

一方、サーキュラーエコノミーは例えば、家具を修理して使い続ける、衣類を回収して再流通させる、使い終わった製品を原料に戻すといった製造時点からの資源化の取り組みが該当します。

単にごみを減らすだけでなく、資源を活かしつつ事業や暮らしを成り立たせる点が重要です。

これまでの「作って・使って・捨てる」との違い

従来の経済は、資源を採掘し、製品を作り、使った後に捨てる一方通行の流れが中心でした。

この考え方は、ごみ自体を減らすReduce(リデュース)、繰り返し使用するReuse(リユース)、資源として再利用するRecycle(リサイクル)の「3R」として、日本でも定着しています。

この流れはリニアエコノミーと呼ばれ、資源の枯渇や廃棄物の増加につながりやすい仕組みでした。

一方で、サーキュラーエコノミーでは、製品を作る段階から長く使うことや、使い終わった後の回収を前提に考えます。

そのため、製品の設計、販売方法、回収の仕組みまで含めて見直す必要があります。

リサイクルとの違いや混同しやすいポイント

サーキュラーエコノミーとリサイクルは似ていますが、同じ意味ではありません。

リサイクル:使い終わったものを資源として再利用する取り組み
サーキュラーエコノミー:廃棄物を出しにくい社会やビジネスの仕組みを作る考え方

たとえば、修理しやすい製品設計、リユースしやすい販売方法、部品交換を前提にしたサービスなどもサーキュラーエコノミーに含まれます。

リサイクルは循環の一部であり、サーキュラーエコノミーは循環全体を設計する考え方です。

今サーキュラーエコノミーが注目されている3つの理由

今サーキュラーエコノミーが注目されている3つの理由

サーキュラーエコノミーが注目される背景には、資源不足、気候変動、企業競争力の変化があります。

ここでは3点に分けて紹介するため、次の内容を解説します。

・大量生産・大量消費・大量廃棄型社会から、再資源化を重視する時代へ移り変わっている
・カーボンニュートラルへの取り組みにもつながる
・企業の技術革新にも役立っている

以下で詳しく解説します。

大量生産・大量消費・大量廃棄型社会から、再資源化を重視する時代へ移り変わっている

サーキュラーエコノミーが注目されるのは、従来の大量生産・大量消費・大量廃棄の仕組みが限界を迎えていることが、理由の一つです。

大量生産・大量消費型により、生活は豊かで便利になった一方で、世界的な大量廃棄型の社会を生み出す要因の一つになりました。このような大量消費型社会は、気候変動や天然資源の枯渇、生物多様性の破壊とも関係しているとされています。

そのため、資源を新しく使い続けるのではなく、すでに社会にある製品や素材を再び活かす考え方が重要になっています。

カーボンニュートラルへの取り組みにもつながる

サーキュラーエコノミーは、カーボンニュートラルへの取り組みにも関係します。

これは原材料の採掘、製造、加工、輸送、廃棄の各段階でエネルギーが使われ、CO2が排出されるためです。

循環型社会の実現は、資源の採掘から加工、廃棄に至るライフサイクル全体の脱炭素化にもつながります。

ただし、何でもリサイクルすればよいわけではありません。汚れが多いものや分離に多くのエネルギーを使うものは、かえってCO2排出が増える場合があります。

だからこそ適切な分別や、リサイクルしやすい設計が重要になります。

企業の技術革新にも役立っている

サーキュラーエコノミーは企業にとって環境対策であると同時に、新しい技術やサービスを生み出すきっかけにもなっています。

たとえば、製品を長く使えるようにする設計、回収した素材を高品質に選別する技術、利用状況をデータで管理するサービスなどが挙げられます。

経済産業省資源エネルギー庁は、サーキュラーエコノミーを経済活動として捉えています。循環型の製品やビジネスを展開することが企業の成長にもつながると説明しています。

2020年には、サーキュラーエコノミーの実現を目指し「循環経済ビジョン2020」が策定されました。3Rの時代から、経済活動としての循環経済(サーキュラーエコノミー)への転換はコスト削減だけでなく、企業が新たな価値を生み出す分野としても広がっています。

サーキュラーエコノミーは何が新しいのか

サーキュラーエコノミーは何が新しいのか

サーキュラーエコノミーは3Rと似ている印象を持たれがちですが、従来とは異なるポイントが複数あります。

具体的なメリットをもとに、サーキュラーエコノミーが新しいとされる3つの理由をくわしく見ていきましょう。

最初から循環を前提に設計する考え方

サーキュラーエコノミーでは、製品を作る前の設計段階から、修理、再利用、分解、リサイクルのしやすさを考えます。

廃棄物が出てから対応するのではなく、廃棄物になりにくい製品を最初から作る点が新しい考え方です。

欧州委員会は、製品の環境影響の多くは設計段階で決まると説明しています。つまり、素材の選び方や部品の構造を変えるだけでも、後の資源循環のしやすさが大きく変わります。

修理しやすい家電、詰め替えできる容器、分解しやすい製品などは、サーキュラーエコノミーの考え方に近い例です。

回収や再利用まで含めて考えることで進む技術革新

サーキュラーエコノミーでは製品を売って終わりではなく、使い終わった後の回収や再利用まで含めて仕組みを作ります。

そのため、回収ルートの整備、素材を見分ける選別技術、再生材を使った製品づくりなどの技術が発展しやすくなります。

たとえば、衣類や雑貨を回収して再流通させる仕組みでは、まだ使えるものと素材として再利用するものを適切に分ける力が欠かせません。

企業同士や自治体、リサイクル事業者が連携することで、循環の精度を高める取り組みも進みます。

環境配慮と両立しながら、新たな経済活動として成り立たせられる

サーキュラーエコノミーは、環境に配慮するだけでなく、経済活動として継続できる点に特徴があります。

・製品を長く使う
・修理して再販売する
・使わない期間だけ貸し出す
・回収した資源を新しい製品に使う

上記のような、循環の中に事業機会が生まれます。

環境省は循環経済への移行が企業の持続可能性を高め、新たな競争力の源泉になる可能性があると説明しています。

環境対策を負担として捉えるのではなく、資源を活かしながら事業を続ける仕組みとして考えることが大切です。

サーキュラーエコノミーの具体的な仕組み

サーキュラーエコノミーの具体的な仕組み

サーキュラーエコノミーは、企業や行政だけでなく日常生活の中にも取り入れられる考え方です。

ここでは、具体的な仕組みや取り組み例を解説します。

長く使えるように修理しやすく作る

サーキュラーエコノミーでは、製品を長く使えるように作ることが重要です。

壊れたらすぐ買い替えるのではなく、部品交換や修理によって使い続けられる仕組みがあれば、新たな資源の投入を抑えられます。

たとえば、部品を取り外しやすい構造にする、修理用部品を一定期間供給する、修理方法を分かりやすく案内するなどの方法があります。

使い終わった後に回収して再資源化する

使い終わった製品を回収し、再び資源として活用することも大切です。

ただし、回収するだけでは十分ではありません。素材ごとに適切に分け、汚れや異物を減らし、再利用しやすい状態にする必要があります。

そのため、家庭や店舗での分別が適切に行われるほど、再資源化の効率は高まりやすくなります。

シェアリングやリユースで製品寿命を延ばす

シェアリングやリユースは、製品を長く使うための代表的な仕組みです。

例として使わなくなった衣類を必要な人に渡す、工具や自転車を共同で使う、家具や家電を中古品として再販売する取り組みがあります。

製品の使用回数が増えれば、同じ用途のために新しい製品を作る量を抑えやすくなります。

一方で、シェアリングは使い方によって資源消費やCO2排出が増える場合もあります。そのため、必要以上に設備や商品を増やさず、資源利用の総量を抑える視点が必要です。

実際の事例で見るサーキュラーエコノミー

実際の事例で見るサーキュラーエコノミー

実際にサーキュラーエコノミーに取り組んでいる企業の実例を4つ、ご紹介します。製造の時点から次の製品づくりやリサイクルへとつなげる動きを大手企業が取り組み、持続可能な社会を目指しています。

【スターバックス】タンブラーを新製品にリサイクルする

https://stories.starbucks.co.jp/stories/2023/reuseandrespect_shibuya/
スターバックスでは、不要になったプラスチック製タンブラーを回収し、新たな製品づくりへつなげる取り組みを行っています。

2024年には、全国約1,850店舗でタンブラー回収プログラムを実施しました。回収したタンブラーの一部は、店舗で使用する資材や商品に生まれ変わる形で活用されています。

使い終わったものを捨てるのではなく、店舗を通じて回収し、再び価値あるものに変える事例です。

【JALグループ】機内食容器の紙製品化

https://press.jal.co.jp/ja/release/202211/007033.html
JALグループでは、機内で使うプラスチック製品の削減に取り組んでいます。

国際線エコノミークラスでは、主菜用の容器や蓋、トレーマットを紙素材へ切り替える取り組みが進められました。

この取り組みにより、主菜用の容器と蓋で年間約150トン、トレーマットで年間約25トン相当の使い捨てプラスチック削減を見込んでいます。

【日本郵政キャピタル株式会社】衣類などの回収ボックスを設置

https://www.post.japanpost.jp/life/passto/index.html
日本郵便では、対象の郵便局に資源循環サービスPASSTOの不要品回収ボックスを設置し、衣類などを回収しています。

回収された不要品は選別され、リユースやリサイクルに回されます。郵便局という身近な場所が回収の入り口になることで、生活者が資源循環に参加しやすくなります。

日本郵便の公式サイトでは、2025年11月時点では、設置局が35局まで拡大しています。

【3社協力】タイヤ空気圧遠隔モニタリングサービスでのCO2削減

https://j4ce.env.go.jp/casestudy/194
ブリヂストン、トランストロン、矢崎エナジーシステムの連携事例では、タイヤの空気圧と温度を遠隔で監視する仕組みが活用されています。

ブリヂストンの発表によると、空気圧を適正に管理することで燃費悪化を防ぎ、車両走行中のCO2排出量削減にもつながります。

製品を売って終わりにせず、使用中の状態をデータで管理し、環境負荷の低減につなげる事例です。

サーキュラーエコノミーで私たちの暮らしに起こる3つの変化

サーキュラーエコノミーで私たちの暮らしに起こる3つの変化

サーキュラーエコノミーが広がると、私たちの買い物やごみの出し方にも変化が生まれます。
普段何気なく行っている買い物や、ごみの出し方を見直してみると、サーキュラーエコノミーへの間接的な取り組みにつながるため意識してみてはいかがでしょうか。

回収や返却まで意識した買い物が増える

今後は、商品を買うときに、使い終わった後の回収や返却まで考える機会が増えていきます。

衣類やタンブラー、家電、容器などは、店舗や回収拠点に戻すことでリユースやリサイクルにつながります。

購入時に価格やデザインだけでなく、リサイクルのしやすさを見る視点が一般化すれば、資源の循環は進みやすくなります。

郵便局の回収ボックスのように、生活動線の中で不要品を出せる場所が増えることも、日常的な参加を後押しします。

長く使える商品や再生材を使った商品への関心の高まり

サーキュラーエコノミーが広がると、捨てる前提ではなく長く使える商品を選ぶ意識が高まります。修理しやすい家電、丈夫な家具、詰め替えできる容器、再生材を使った日用品などが選ばれやすくなるのです。

長く使える商品は買い替えの回数を減らし、資源の消費を抑えることにつながります。さらに、再生材を使った商品を選ぶことで、回収された資源の使い道を支えるのです。

適切な分別の重要性が高まる

サーキュラーエコノミーでは、分別の重要性がこれまで以上に高まります。

理由は、回収されたものに汚れや異物が多いと、再資源化が難しくなるためです。

たとえば、プラスチックに金属や電気部品が混ざっている場合、リサイクル工場で分離する手間やエネルギーが増えます。分離できないものは、資源化に回せない場合もあります。

家庭や事業所で、素材ごとの分別や洗浄、指定ルールの確認を行うことは、資源循環の質を高める基本になります。

まとめ

サーキュラーエコノミーとは、資源を一度使って終わりにせず、修理、再利用、回収、再資源化によって循環させる経済の考え方です。

企業の事例からも、タンブラーの回収、機内食容器の素材変更、衣類などの回収ボックス、タイヤの遠隔管理など、さまざまな形で取り組みが進んでいることが分かります。

私たちの暮らしの中でも、長く使える商品を選ぶことや、回収に出すこと、正しく分別することなど、取り組める行動があります。日々の暮らしでサーキュラーエコノミーを支える一歩をはじめてみてはいかがでしょうか。

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