引っ越し時の廃棄トラブルは、計画的な引っ越しができなくなったり近隣トラブルの原因につながったりします。そこで引っ越し時に起こりやすい廃棄トラブルを理解し、処分の際は注意しましょう。
本記事では廃棄トラブルの例や、間違いやすい不用品の種類別での大まかな処分方法を解説します。これから引っ越しを検討している方や、新生活に向けて不用品の整理をしている方もぜひ参考にしてください。
引っ越し時に起きやすい廃棄トラブル例

引っ越し時に不要になった家具や家電は、種類やサイズによって処分方法を分ける必要があります。
自分では正しいと思っていた処分方法も、実は今住んでいる自治体ではごみ収集所に出せないケースもあるのです。そもそも、不要物として処分できずリサイクルしなければいけない種類もあるため十分注意が必要です。
粗大ごみ回収が退去日に間に合わない
引っ越しの直前に大きな家具や家電の処分で、自治体に回収を依頼する場合はスケジュールに余裕を持つことが重要です。
場合によっては、収集日の予約が取れず退去日までに回収できないことがよくあります。
自治体の粗大ごみ回収は事前申込制で回収日が限られているため、申し込みから実際の収集まで1〜2週間
以上かかる地域もあります。
また、自治体によっては回収自体ができない粗大ごみもあり、遅れが退去手続きのスケジュールを圧迫する原因になってしまうのです。
無料回収に頼ったら高額請求・キャンセル料
「無料で引き取る」と宣伝している業者やサービスの中には、いざ回収した後に高額な追加料金を請求される悪徳なところもあります。
特に自治体の許可を持たない無許可業者は、所在地がわからなかったり料金が不明瞭だったりと、後の大きなトラブルにつながりかねません。
実際に最初は安く見せかけておいて、本来必要な手数料や運搬費を請求するケースが報告されています。中にはキャンセルしようとした結果、キャンセル料を求められるなどしつこく支払いを迫られるリスクもあります。
泣き寝入りの状況にならないためにも、業者選びには十分注意が必要です。
引っ越し業者に廃棄を依頼できないケースもある
多くの引っ越し業者は不用品や廃棄物の処理までサービスに含まれていない場合があり、本体回収は別途料金が必要です。
引っ越し業者が廃棄物収集の許可を持っていない場合、自治体ルールに従った廃棄はできません。結果として希望どおりに処分できず、自身で自治体や民間の廃棄サービスを手配し直す必要が生まれるケースもあります。
家電4品目を通常ごみで出してしまう
テレビ・冷蔵庫・洗濯機・エアコンは「家電4品目」と呼ばれ、「家電リサイクル法」の対象です。
そのため不要物としてではなく、定められた方法でリサイクル処理を行う必要があります。通常の不要物として出すと違法投棄として罰則や追加費用の対象になりかねません。そのため正しい処理ルートを事前に確認することが重要です。
モバイルバッテリーの混入で発火・収集車火災につながる
モバイルバッテリーやリチウム電池が混ざった不要物は、収集車や中間処理施設で火災事故を発生させるリスクがあります。
リチウム電池やバッテリー類は自治体ごとの分別ルールがあり、指定の方法で処分しましょう。大きな事故につながりかねないため、特に小型家電やスマートフォン、ゲームなどの電子機器を処分する際は、くれぐれもリチウム電池が使われていないかチェックしてください。
細かい電池類は必ず自治体の指示に従って別途処理する必要があります。
引っ越し廃棄の基本ルール

引っ越し時の廃棄で最も重要なのは、スピードよりもルール順守を優先する姿勢です。
自治体の分別や回収方法を理解せずに処分すると、追加費用や契約トラブルに発展しやすくなります。
以下では、引っ越し廃棄で押さえるべき基本ルールを整理しましょう。
知っておきたい3つの基本ルールと注意点を紹介します。
家庭ごみは「自治体ルール」が原則
引っ越しで出る不要物は、居住している自治体の分別ルールと回収方法に従って処理する必要があります。家庭ごみの区分や回収日は全国共通ではなく、市区町村ごとに細かく定められています。
たとえば、同じ家具でも「粗大ごみ」として事前申込が必要な自治体もあれば、解体すれば可燃ごみとして出せる自治体もあります。ルールを確認せずに出すと、回収されず退去日までに処分できないリスクがあるため注意しましょう。
引っ越しが決まった段階で、自治体公式サイトの分別一覧や粗大ごみ受付情報を確認しておくことをおすすめします。
無許可回収に注意する
「無料回収」「即日対応」をうたう業者の中には、自治体の一般廃棄物収集運搬許可を持たない無許可業者が含まれる場合があります。無許可業者によっては所在地や責任者が不明なところや、回収後に高額請求されるなどの悪徳なところも存在します。
許可番号の掲示がない場合や、契約内容が不明確な場合は利用を避けることをおすすめします。
安全に処分するためには、自治体が案内している許可業者を利用するか、リサイクルセンターへの直接持ち込みを検討しましょう。
早く捨てるより正しく捨てるを意識する
引っ越し直前になると、時間に追われて処分を急ぎがちですが、急いで捨てる判断は出費増加やトラブルの原因になります。
正規ルートで処分すれば自治体回収やリサイクル制度を利用でき、結果として費用を抑えられるケースが多く見られます。一方で、焦って民間業者に一括処分を依頼すると、想定外の費用が発生しやすくなります。
余裕を持って処分計画を立て、自治体ルールに沿って進めることが、トラブル防止とコスト管理の両立につながります。
間違えやすい不用品の「正しい処分」早見ガイド

不用品の中でも処分方法を間違いやすいのは、次のような種類があります。
・家電リサイクル法の対象4品目(エアコン/テレビ/冷蔵庫・冷凍庫/洗濯機・衣類乾燥機)
・小型家電・PCまわり(スマホ、ゲーム機、ケーブル類)
・充電式電池・モバイルバッテリー(最優先で分ける)
・危険物(スプレー缶・ガスボンベ・灯油等)
・粗大ごみ(家具・寝具・カーペット等)
いずれも詳細な処分方法は、自治体によってルールが異なります。そのためあくまで参考として確認し、自治体の最新の情報をチェックしたうえで処分しましょう。
家電リサイクル法の対象4品目
家電4品目は、自治体の通常回収に出せません。
対象は「エアコン」「テレビ」「冷蔵庫・冷凍庫」「洗濯機・衣類乾燥機」で、リサイクル料金と収集運搬料金が発生します。
処分ルートは大きく分けて二つあります。買い替えなら、新しい製品を購入する店に引き取りを頼みましょう。処分のみなら、購入した店に引き取りを依頼します。購入先が不明な場合は、市区町村が案内する方法で進めます。
持ち込みが可能な場合は、郵便局振込方式で料金を支払い、指定引取場所へ持ち込む流れも案内されています。
小型家電・PCまわり
スマホ、ゲーム機、ケーブル類は、小型家電リサイクルの回収ルートは、自治体によって異なります。
代表例が回収ボックス方式で、公共施設や小売店などに設置された回収箱へ投入する方法です。また、資源回収の集積所で集める方式や、イベント回収を行う場合もあります。
個人情報が入る端末は、処分前に初期化やデータ消去を済ませる対応が必要です。回収方法とあわせて、自治体ページの案内も確認してください。
充電式電池・モバイルバッテリー
充電式電池やモバイルバッテリーは、危険物だからこそ必ず通常の不要物と混ぜないよう十分注意してください。
不燃ごみに混ざると、破砕工程で衝撃が加わり発火し、火災につながる危険があると政府広報でも注意喚起されています。
処分は「電池類の回収」や「小型家電回収」など、自治体が指定する区分で出しましょう。回収拠点に持ち込む方式も多いため、引っ越しの荷造り段階で分離しておくと混入を防げます。
危険物(スプレー缶・ガスボンベ・灯油等)
スプレー缶やガスボンベは、残ガスが事故の原因になります。
自治体の案内では「中身を使い切る」「穴を開けない」「不燃物と混ぜない」など、具体的な出し方を示している例があります。
灯油も同様に、通常のごみとして出せません。保管したまま放置すると漏洩リスクが高まるため、購入店や自治体の回収案内に従って処理します。
危険物は自治体ごとの差が出やすい分野なので、必ず居住地のルールを見て対応してください。
粗大ごみ
家具、寝具、カーペットなどは粗大ごみに該当しやすく、予約制で回収する自治体が多い分野です。回収日が限られるため、退去日に間に合わないトラブルも起きやすくなります。
なお可燃ごみや不燃ごみでも大量に出る場合は「引っ越しごみ」「多量ごみ」として扱いが変わる自治体もあります。回収条件が変わる可能性があるため、粗大ごみ受付の案内ページで確認し、必要なら早めに相談してください。
処分に迷う場合は、自治体の案内に沿って進めるほうが、結果として追加費用やトラブルを避けやすくなります。
退去日1ヶ月前からの廃棄スケジュール

引っ越し廃棄は、退去日から逆算して段階的に進めることが重要です。
直前にまとめて処分しようとすると、予約が取れない、分別ミスが起きる、追加費用が発生するといった問題が起きやすくなります。
以下で、時期ごとにやるべき内容を具体的に整理します。
退去4週間前:仕分ける
退去1ヶ月前は、不用品を行き先別に仕分ける段階です。この時点で「捨てる・売る・譲る・持っていく」の四つに分類しておくと、後工程が大きく楽になります。
売却や譲渡を考えている物は、フリマアプリや知人への声かけに時間がかかる場合があります。早めに動くことで、処分費用を抑えられる可能性も高まります。
一方で、迷って保留にした物は、後半で判断が遅れやすくなるため、使っていない物から順に判断する意識が求められます。
退去2~3週間前:粗大ごみ予約と処理券の手配
粗大ごみの種類によって、回収日時や場所も異なるため引っ越しの日時が決まっている場合は退去3週間よりも前の予約を心掛けましょう。
自治体で申し込みルールも異なりますが、主に粗大ごみ受付センターや役所への連絡や、必要に応じて粗大ごみ処理券の購入や処分手数料の支払いが求められます。
例えば佐賀市では”遅くとも1週間前までに、3月や4月、12月ごろなど時期によっては予約が取りにくい場合もある※1”ため、早めのお申し込みを推奨しています。
引っ越し当日まで粗大ごみの処分が間に合わないと、転居先に運搬する形になれば追加料金が発生する原因にもなります。トラックの積載量次第では、積み込み自体ができないケースもあるため、2~3週間前までに手配を進めるなど前倒しで進めておくと安心です。
退去1週間前:家電・小型家電・電池の処分方法を決める
退去1週間前までに、家電や電池類の処分ルートを確定させます。家電リサイクル法対象品は、通常の不要物として出せないため、購入店引き取りや指定引取場所への持ち込みなどを検討しましょう。
小型家電やモバイルバッテリーは、自治体の回収ボックスや指定回収日に出す方式が多く見られます。
処分方法が決まらないまま当日を迎えると、混入や残置物の原因になりやすいため、処分先を明確にしておくことが重要です。
前日〜当日:置き場所・水抜き・最終確認(残置物ゼロ)
前日から当日は、廃棄物の置き場所確認と最終チェックを行います。粗大ごみは指定場所に正しく出されているか、回収日と時間帯が合っているかを確認します。
冷蔵庫や洗濯機は、水抜きや霜取りを済ませておかないと、搬出や引き取りを断られる場合があります。
室内・ベランダ・収納の見落としを防ぎ、残置物がない状態で退去できれば、原状回復トラブルの回避にもつながります。
まとめ
処分で間違えやすいのは、家電リサイクル法の対象4品目や、スマホやゲーム機などの小型家電です。また、家電4品目は通常回収に出せないため、購入店への引き取り依頼や指定ルートでの処分が前提になるため注意しましょう。
ほかにも充電式電池やモバイルバッテリーは火災につながるなど、危険物の取扱いは特に気を付けたい点です。
必ず、使い切りや分別の指示を確認しながら余裕をもって廃棄を進めていきましょう。
