衣替えでいらなくなった洋服や衣装ケースなどは、すべて燃えるごみに出すのではなく素材や種類に合わせて分別が必要です。
間違って処分してしまえば罰金が必要になるケースもあります。
そこで衣替えで出た不要な衣類などの処分方法の例をご紹介します。正しく処分するために心掛けたいポイントも解説するため、ぜひ参考にしてください。
衣替えで出た不用品の処分方法8選
衣替えで出た不要な服などは、次の8つの手放し方があります。
服の状態や量などで、適切な処分方法を選びましょう。
汚れた洋服は可燃ごみに出す
衣替えの際に出る、シミやニオイが取れない衣類、色落ちや破れがある古着などは、再利用が難しいため「可燃ごみ」として処分するのが一般的です。
下着や使用感の強い衣類は、衛生面の観点からもリサイクルに適していません。多くの自治体で燃えるごみとして収集されます。可燃ごみに出す際は、地域のルールに従って透明または指定のごみ袋に入れ、収集日に合わせて出しましょう。
資源ごみでまとめて処分する
まだ使える衣類や布製品の中には、地域の「資源ごみ」として回収されるものもあります。自治体によっては月に1〜2回のペースで古布・古着を資源回収しています。回収日に出せば、リサイクルや海外支援に活用されるきっかけになります。
資源ごみに出す際は、雨に濡れないように袋に入れたり、紐でまとめたりしましょう。洗濯済みで清潔な状態であることが求められるため、カビや汚れがひどいものは可燃ごみに回す判断も必要です。
古着回収ボックスを活用する
多くの自治体やショッピングモール、衣料品メーカーでは、古着回収ボックスを設置しており、衣替えで不要になった衣類の処分先として便利です。
回収された衣類はリユース・リサイクル・難民支援など、さまざまな形で活用されており、環境負荷の軽減にもつながります。ただし、回収できる種類には制限があるため、事前に「下着は不可」「汚れがひどいものはNG」などのルールを確認しておきましょう。
ごみ処理施設に直接持ち込む
大量の衣類や収納グッズなど、通常のごみ収集では処分しきれない場合、ごみ処理施設(クリーンセンター等)へ直接持ち込む選択肢があります。自治体によっては、家庭ごみを持ち込みできる施設があり、指定時間内に受付をすれば、自家用車でまとめて処分可能です。
ただし、持ち込みには事前予約が必要な場合や、身分証の提示、処理手数料が発生するケースもあるため、事前に自治体の公式サイトなどで確認しましょう。
リサイクルショップに持ち込む
ブランド服や状態の良い洋服がある場合、リサイクルショップへの持ち込みもおすすめです。店舗によっては衣類専門の買取サービスを行っており、衣替えのタイミングで処分する服が収入につながることもあります。
ただし、売る季節やノーブランド品、使用感が強いものは買取対象外となるケースもあるので注意しましょう。
フリマアプリやネットオークションに出品
状態が良くブランド価値のあるものは、フリマアプリやネットオークションで売れる可能性があります。
特にメルカリやラクマ、ヤフオクなどのプラットフォームは利用者が多く、季節に合ったアイテムは早く売れる傾向があります。
また、ブランド名・サイズ・使用頻度などを詳しく記載すると、トラブルも少なく安心です。
寄付する
福祉団体やNPO法人を通じて、衣替えで出た洋服を寄付する方法もあります。
国内外で衣料支援を行う団体では、被災地支援や貧困地域への物資提供を目的に、古着を回収しているケースがあります。寄付対象となるのは、主に洗濯済みで清潔な状態の衣類やタオル、子供服など。団体によっては靴やバッグも寄付可能です。
インターネット上で申込を行い、郵送するシステムを採用している団体も多く、気軽に参加できます。
不用品回収業者に依頼する
衣替えと同時に、衣類だけでなく収納ケースや不要家具などもまとめて片づけたい場合、不用品回収業者に依頼するのも有効な手段です。
自宅まで即日回収してくれる業者も多く、大量処分や重たい物の処理も任せられる点が大きなメリットです。無許可営業の業者に注意し、一般廃棄物収集運搬業の認可があるかを確認しましょう。手間をかけずに一気に片づけたい人におすすめのサービスです。
衣類の種類別での処分方法
衣類を種類別で処分するには、使われている素材、パーツで見極めましょう。
洋服の主な種類別での分別方法を紹介します。
Tシャツなどの洋服は「燃えるごみ」
綿やポリエステルなどの一般的な素材でできたTシャツ、シャツ、ワンピースなどの洋服は、多くの自治体で「燃えるごみ(可燃ごみ)」として扱われます。
衣替えで出る衣類の中でも特に多いのがこうした普段着で、洗濯しても落ちない汚れや穴あき、型崩れが激しいものは再利用やリサイクルが難しく、焼却処分が基本です。
また、リメイクや掃除用の古布として使えそうな衣類があれば、再利用してから処分する方法もあります。
ダウンなど綿入りの洋服は「不燃ごみ」
ダウンジャケットや中綿入りのコート、ベストなどは、「不燃ごみ」に分類されることが多いので注意が必要です。
これは中のフェザーやポリエステル綿が、燃焼処理の際に設備に負荷をかける可能性があるためです。
自治体によっては「中綿入り衣類は不燃ごみ」「ダウンは中身を抜くか不燃ごみへ」などと細かく定められていることもあるため、事前にルールを確認しましょう。また、ダウン製品の一部はリサイクルプログラムの対象にもなっており、アウトドアブランドの回収キャンペーンを調べることもおすすめです。
レインコートや雨合羽は「不燃ごみ」
レインコートや雨合羽などの防水加工された衣類は、一般的に「不燃ごみ」に分類されることが多いアイテムです。これらはビニールやポリウレタン、ナイロンなど、燃えにくい素材や特殊な加工が施されているため、通常の可燃ごみとして処分すると焼却施設に負担をかける原因です。また、耐久性が高く分解しづらいため、環境への影響も考慮されて「不燃」とされているケースが多いです。
粗大ごみ扱いの可能性もあるため、事前にお住まいの自治体のホームページや広報紙などで分別ルールを確認しておくと安心です。
革製の洋服や靴・バッグは「不燃ごみ」
本革や合成皮革でできた衣類・靴・バッグなどは、「不燃ごみ」に分類される自治体が多くあります。
革製品は耐久性が高く燃えにくいため、可燃ごみには適さず、不燃ごみとして出すのが適切とされています。
金属パーツや飾りがついている製品も、分解が難しいことも「不燃」扱いになる理由の一つです。なお、ブランドバッグや革靴など、状態が良ければリサイクルショップやフリマアプリで再販できる可能性もあるため、捨てる前に出品を検討しましょう。
衣類を処分するタイミング
衣替えする際に、処分するか判断に迷う洋服があれば次の基準を目安にしましょう。
溜め込んでいても結局着なければ、自分にとっての不用品になってしまいます。次に必要とする人のところに届けるきっかけにもなるため、定期的にクローゼットを整理しましょう。
一年以上着ていない服
衣替えのたびに「また今度着るかも」と思って残している服の中に、一年以上袖を通していないものがあれば処分のタイミングです。
また、トレンドの移り変わりやライフスタイルの変化により、気づかないうちに「もう自分には似合わない」「着ていても気分が上がらない」服になっていることもあります。処分やリサイクルなどで、クローゼットをすっきりさせましょう。
服のほつれ・破れなどがある
衣類にほつれや破れ、シミや毛玉が目立つなら処分を検討するタイミングです。たとえデザインや着心地が気に入っていても、見た目の劣化が進んだ服は清潔感に欠けてしまいます。
ビジネスウェアやアウターなどは、細かな傷みでもだらしなく見えてしまうため注意が必要です。
手放すことで自分の今のスタイルの見直しにもつながります。
流行が過ぎてしまった
服のデザインやカラーは年々変化しており、時間が経てば着る機会が減っていることがあります。
トレンドを追って購入した服は、短期間で役目を終えることも多く、クローゼットの奥にしまったままになっていないでしょうか?
「今着るにはちょっと古いかも」と感じる服は、無理に取っておかずに見直すタイミングです。
流行に左右されにくいベーシックな服なら活用できますが、今の自分の気分やライフスタイルに合わない服は手放しましょう。
新しい服を買った
新しい服を購入したタイミングも、手持ちの衣類を見直す絶好のチャンスです。
クローゼットに新しい服が加わったことで、似たようなアイテムが重複していたり、以前からあまり着ていなかった服がますます埋もれる原因です。
スペースに限りがある中で、服を増やすならどこかで「手放す」という選択も必要です。新しい服を大切に着るためにも、古くなったもの・使用頻度が低いものはこのタイミングで見直しましょう。
「1着買ったら1着手放す」など、自分なりのルールを持てば、クローゼットの中も気持ちもすっきり整います。
似たデザインの服が溜まっている
似たデザインの服が増えすぎると、結局いつも同じコーディネートになってしまったり、本当に着たい服が埋もれたりする原因です。
似た服が複数ある場合は「最も着心地がいいもの」「一番着用頻度が高いもの」だけを残し、ほかは処分や譲渡を検討しましょう。持ち物にメリハリをつけることで、コーディネートの幅も心の余裕も広がります。
収納スペースがない
服の量が収納スペースを圧迫しているなら、手放すタイミングです。スペースが足りないまま服を詰め込むと、シワや傷みの原因にもなり、結果的にお気に入りの服の寿命を縮める原因です。
衣替えのタイミングで一度すべてを出し、何がどれくらいあるのか見て、不要なものはまとめて手放しましょう。
衣替えで出た衣類などを処分する時の注意点
衣替えで出た不要な洋服を、処分するのなら捨て方に注意が必要です。
状況次第では違法になる可能性もあるため、くれぐれも次のポイントに気をつけてください。
衣類を燃やして処分することは違法
自宅の庭や空き地などで衣類や布類を燃やす行為は、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃掃法)」に違反する可能性があります。
たとえ少量でも、個人が勝手に廃棄物を野焼きすることは原則として禁止です。悪臭や有毒ガスの発生、近隣住民とのトラブルにもつながりかねません。違反が悪質と判断された場合、罰金や懲役などの処罰対象になることもあります。
ボタンやファスナーは燃えるごみに出せない
金属製のファスナーやプラスチック製のボタンなどの衣類の付属品は、素材によっては可燃ごみに出せません。
「不燃ごみ」や「資源ごみ」に分けて処分する必要があります。金属部分が大きい場合、焼却施設の故障や火災の原因につながります。
取り外したボタンやファスナーは、それぞれの自治体の分別ルールに従って別々に処分しましょう。
バッグやポーチにリメイクする
着られない服や思い出の詰まった衣類は、リメイクする選択肢もあります。特にデザイン性の高い布やしっかりした素材の服は、小物へのリメイクに適しています。
シャツの生地を使ってポーチを作ったり、デニムをバッグや鍋つかみにするなど、工夫次第で実用的なアイテムに変身させることが可能です。裁縫が苦手な人でも、ハンドメイドキットや簡単な手縫いで取り組めるレベルのものも多く、子どもと一緒に楽しむ工作としても人気です。
売却・寄付する時は洗濯してきれいにする
リサイクルショップやフリマアプリへの出品は、衣類を洗濯してからきれいな状態で渡しましょう。
たとえ一度しか着ていない服でも、長期間保管されていた衣類にはほこりやにおいが付着していることがあるため、洗濯で清潔に整えておくことが大切です。シワを取って畳む、毛玉を取る、ブランドタグやサイズ表示があるかを確認するなど、ひと手間を加えると買取価格や売却スピードにも影響します。
汚れのある服は基本的に燃えるごみに出す
シミ・カビ・におい・色落ちなど、明らかな汚れや劣化が見られる衣類は、基本的に「燃えるごみ」として処分します。見た目にはまだ着られそうでも、衛生面の問題から寄付や買取を断られるケースが多く、無理に出しても相手に迷惑をかける可能性があります。
可燃ごみに出す際は地域指定の袋に入れて、収集日に従って出しましょう。
まとめ
衣替えで出た不要な衣類などは、そのまま放置しても収納スペースを圧迫する原因です。特にトレンドの移り変わりが早い服だからこそ、着なくなったものは早めに処分しましょう。
廃棄物として処分するだけでなく、寄付や売却など自分に合う方法を検討しましょう。