古くなった冷蔵庫やテレビの処分方法に悩んだことはありませんか?
実は、多くの方が家電の正しい廃棄方法を知らずに処分方法に悩んだり、調べるのに時間がかかったりしているのです。
そこで本記事は、家電リサイクル法の基本から具体的な処分手順、料金表まで必要な情報をわかりやすく解説します。
環境に配慮した適切な家電処分は、社会的責任を果たすだけでなく、不法投棄による罰則も回避できます。ご自身のライフスタイルに合った方法で、スマートに家電リサイクルを実践しましょう。
家電リサイクル法はごみを減らし使えるものをムダにしない法律
家電リサイクル法は、家庭や事務所から出る特定の家電製品を捨てずに資源として再利用するための法律です。
対象となる家電は以下のとおりです。
・エアコン
・テレビ(ブラウン管、液晶・プラズマ)
・冷蔵庫・冷凍庫
・洗濯機・衣類乾燥機
これらは普通のごみとして捨てられません。
家電リサイクル法は、製造した会社、販売したお店、使用した人それぞれに役割(責任)を持たせています。私たち使用した人の役割は、不要になった家電を適切に処分することです。
家電リサイクル法は、私たちの身近な製品を資源として再利用するための仕組みです。
一人ひとりが正しく理解して協力することで、限りある資源を有効に活用できるでしょう。
家電リサイクル法の対象品目
家電リサイクル法の対象品目は「家電4品目」と呼ばれるエアコン、テレビ、冷蔵庫・冷凍庫、洗濯機・衣類乾燥機です。
家電リサイクル法のあらすじ
私たちの家庭から出る家電製品は、年間約60万トンにのぼります。かつては、多くが単に埋め立てられていましたが、埋め立て地の確保が困難になったため、新しい処理方法が必要になりました。
家電製品は、価値ある資源が多く含まれています。たとえば、エアコンやテレビには銅やアルミなどの金属が使われており、適切に回収・リサイクルすれば再び利用できるのです。
このような背景から生まれたのが家電リサイクル法です。
家電リサイクル法の目的は、ごみを減らしながら資源を有効に使うことにあります。有効な使い方として、おもに次の2つの方法が進められています。
再商品化(マテリアルリサイクル)
エアコン、テレビ、冷蔵庫・冷凍庫、洗濯機・乾燥機(家電4品目)から部品や材料を取り出し、新しい製品の材料として利用する方法です。テレビのブラウン管から鉛ガラスを回収し、新たなガラス製品の原料とする例もあります。
熱回収(サーマルリサイクル)
廃家電から取り出した部品を燃やす際に発生する熱エネルギーを利用するリサイクル方法です。発電や温水供給などに活用できます。
家電リサイクルは、資源の無駄遣いを防ぐだけでなく、廃棄物を減らすことにもつながるでしょう。
家電リサイクル法について正しく理解し、適切な方法で古い家電を処分することが環境を守る第一歩となるのです。
小型家電リサイクル法との違い
資源を有効活用し廃棄物を減らすという同じ目的を持つ二つの法律があります。それが、家電リサイクル法と小型家電リサイクル法です。どちらも身近な電化製品のリサイクルを定めている法律ですが、対象となる家電製品や処分方法に違いがあります。
共通点
・資源の有効活用と廃棄物の削減を目的としている
・不要になった家電を適切に処理し環境への負担を軽くする
相違点
家電リサイクル法 | 小型家電リサイクル法 | |
---|---|---|
制定の背景 | 家電4品目が不法投棄される問題を解決するため | 使用済みの小型家電が埋め立てられることなく、 貴重な金属資源として活用するため |
対象品目 | 4種類(テレビ、エアコン、冷蔵庫・冷凍庫、 洗濯機・衣類乾燥機) |
28種類(携帯電話、パソコン、デジタルカメラ、 電子レンジ、掃除機、炊飯器など) |
処分方法 | 指定取引所や販売店を通じた回収 | 各自治体が設置する回収ボックスや ごみステーションなど(自治体によって異なる) |
2つの法律は「資源を有効活用し廃棄物を減らすという」同じ目標を持ちながらも、対象製品や回収方法に違いがあります。私たちが家電を処分する際には、製品の種類によって適切な方法を選ぶことが大切です。
家電リサイクル法に違反した方法で捨てるとどうなるか
家電リサイクル法に従わずに家電を捨てると、法律違反になるだけでなく、環境を傷つけたり、思わぬお金のトラブルに巻き込まれたりする危険があります。
3つの違法な処分とは
知っておくべき違法な処分方法は、以下の3つです。
・不法投棄:決められた場所以外に家電を捨てる(空き地、道路、海岸など)
・一般ごみ:家電を燃えるごみ、燃えないごみ、粗大ごみとして出す
・違法業者に委託:ごみ回収の許可を持たない業者に依頼する
違反した場合の深刻な影響(罰則、環境汚染、お金のトラブル)
法律違反の影響は、多岐にわたります。
一般消費者は、家電リサイクル法の罰則対象ではありませんが「廃棄物処理法」に問われる可能性があります。この場合、最大で5年以下の懲役または1,000万円以下の罰金、あるいはその両方が科される場合もあり注意が必要です。
家電は、適切に処分されないと有害物質が漏れ出す危険性があるため、環境への影響も深刻です。
冷蔵庫やエアコンに含まれるフロンガスは、大気中に放出されると地球温暖化を加速させる原因になります。不法投棄された家電から鉛や水銀などが漏れ出し、土や水を汚染して生き物に悪影響を与える可能もあるでしょう。
お金のトラブルも発生します。
無許可の回収業者は、後から高額な料金を請求してくる可能性があります。さらに、適切なリサイクル手続きをしていない業者に頼むと、法的責任を問われるリスクも考えられるでしょう。
家電リサイクル法を守って正しく処分することは、自分自身を守り、環境も保護する大切な行動です。適切な処理方法を必ず守りましょう。
【状況別】家電リサイクル法対象品目の処分方法
家電の処分には、状況に応じていくつかの方法があります。新しい製品に買い替える場合と処分だけを希望する場合で選択肢が変わりますので、自分に合った方法を見つけましょう。
買い替え、処分のみ▶購入、買い替えるお店に申込む
【新しい製品に買い替える場合】
新しい製品に買い替える場合は、新しい家電を購入するお店に古い家電の引き取りを依頼できます。新製品の配達と同時に古い家電を回収してくれるため、非常に便利です。引き取り方法は店舗によって異なりますので、購入前に確認すると安心です。
【処分だけを希望する場合】
以前に家電を購入したお店でも、処分だけの依頼が可能です。ただし、回収日は、お店と調整する必要があります。スムーズに処分するためには、お店に問い合わせることをおすすめします。また、回収運搬料金が発生する場合もありますので、事前に料金を確認しておくと良いでしょう。
処分のみ(購入したお店が不明)▶自分で運搬する
購入したお店がわからない場合や、すでに閉店している場合は、自治体が指定する「家電リサイクル引き取り所」に直接持ち込めます。
手順は次のとおりです。
①郵便局で「家電リサイクル券」を購入し、リサイクル料金を支払う
②対象家電とリサイクル券を一緒に「家電リサイクル引き取り所」へ持ち込む
この方法は、回収運搬料金は不要ですが、引き取り所は主に平日のみ営業しているため、ご自身の予定を調整する必要があります。指定引取場所の一覧は、ウェブで「自治体名 家電リサイクル引き取り所」と検索して確認できます。
処分のみ(購入したお店が不明)▶業者に収集運搬してもらう
ご自身で家電を運ぶことが難しい場合は、自治体が指定する収集運搬業者に依頼できます。
手順は、以下のとおりです。
①郵便局で「家電リサイクル券」を購入・支払い
②指定の収集運搬業者に回収依頼
この方法は、自治体が指定する正規の業者という点で、適切な処理が保証され、安心できることです。
業者が家庭から回収し指定の引取所まで運んでくれるため、手間がかからないのもメリットです。ただし、収集日は業者との調整が必要になります。
自分に最も適した家電の処分方法を選ぶと、法律に従いながら効率的に家電を処分できます。詳しい情報や個別の状況に合わせた方法を知りたい場合は、一般財団法人家電製品協会のウェブサイトで調べてみてください。
家電リサイクルの料金表
家電リサイクルの処分費用は、対象品目やメーカーによって異なります。具体的な料金を知りたい場合は「リサイクル料金(主要メーカー一覧)」でご確認ください。
【主な料金一覧】(2025年3月現在)
家電名 | 料金 |
---|---|
エアコン | 990円~2,000円 |
テレビ(ブラウン管、液晶・プラズマ) | 1,320円~5,005円 |
冷蔵庫・冷凍庫 | 2,530円~6,149円 |
洗濯機・衣類乾燥機 | 2,530円~5,600円 |
家電リサイクルは家電リサイクル券で支払う
家電リサイクル券は、家電を適切にリサイクルした証明となる重要な書類です。購入方法は、処分方法により異なりますが、どのような場合でも1製品につき1枚必要です。
家電リサイクル券は正しくリサイクルしたことの証明
購入方法は、2種類あります。
①郵便局で支払う(料金郵便局振込方式)
②販売店経由(料金販売店回収方式)
いずれの場合も「家電リサイクル券」に必要事項を記入し、所定の金額を支払います。
家電リサイクル料金はいつ支払うのか
家電のリサイクル料金の支払いは、処分方法によってタイミングが異なりますので、以下の表を参考にしてください。
支払い方法 | 対象となるケース | 支払うタイミング |
---|---|---|
郵便局で支払う場合 (料金郵便局振込方式) |
自身で家電リサイクル引き取り場所に持ち込む場合 業者に家電リサイクル品引取所まで収集運搬してもらう |
リサイクル券購入=リサイクル料金の支払い |
販売店経由 (料金販売店回収方式) |
家電量販店で買い替えをする場合 | 引き取り時にリサイクル料金の支払い |
家電リサイクル券を利用する際は、以下の点にも注意しましょう。
・郵便局用の家電リサイクル券は、平日の営業時間内に簡易郵便局以外の郵便局の貯金窓口で購入する
・ゆうちょ銀行の振込手数料が家電リサイクル券1枚ごとにかかる
家電リサイクル券には「排出者控え」がついています。この控えは、正しくリサイクル手順が行われた証明となるため、一定期間の保管をおすすめします。
排出者控えを渡さない業者は、違法業者である可能性が高いことから十分注意しましょう。
まとめ
家電リサイクル法は、私たちの資源を守るための大切な決まりです。
古くなったテレビや冷蔵庫などから、鉄やアルミといった材料を取り出して再利用することで環境への負担を減らす目的があります。
家電リサイクル法に沿った家電の処分は、リサイクル券の購入やご自身での運搬など、少し手間に感じるかもしれません。しかし一人ひとりの行動が未来の環境を守ることにつながります。
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