お役立ちコラム
2025.05.25

リサイクルできる食品トレーは?種類と回収方法を解説!

リサイクルできる食品トレーは?種類と回収方法を解説!

「食品トレーは、プラスチックごみ? 燃えるごみ? それともスーパーの回収ボックス?」

毎日のように捨てる食品トレーは、自治体によって異なるルール、トレーの種類ごとに変わる分別方法があります。

エコ意識を持ちたい、リサイクルに貢献したいと思っていても、正しい処理方法がわからず困っているかたも多いかもしれません。

本記事は、食品トレーの種類別リサイクル方法から効果的な回収方法まで、環境に配慮した適切な処理方法をご紹介します。

本記事を読むと、食品トレーの基本的かつ正しい捨て方やリサイクルすることのメリット、日常のささいな疑問を解消できます。

毎日の小さな行動の積み重ねによって、大きな環境貢献が得られる正しい食品トレーのリサイクル方法を知っていただけたら幸いです。

食品トレーとはプラスチック製の容器

食品トレーとはプラスチック製の容器

食品トレーとは、主に食品を保存・陳列するための容器です。

おもにプラスチック製が多く、スーパーやコンビニで売られている肉や魚、弁当など食べ物を入れる容器として広く使われています。

食品トレーの種類

食品トレーは、使い道によって素材や種類が異なります。
具体例は、下記のとおりです。

  • スーパーで使用される肉や魚用トレー
  • コンビニ弁当容器
  • 冷凍食品用トレー
  • お菓子トレー

近年は、紙製トレーやレジ袋にも使用されるバイオマスプラスチックなど、捨てるときに環境への負荷が少ないトレーも開発されています。

食品トレーのリサイクル

食品トレーは、リサイクルされたあとプラスチック製品を作る原料(ペレット)となり、新たな製品として生まれ変わります。

リサイクル後は新たなトレーとして商品化される

再商品化とは、新たなプラスチック商品にしたり、原料にしたりすることです。

食品トレーのリサイクルは、図のようにして再商品化されます。

1.回収、2.選別と分類、3.洗浄・粉砕、4.ペレット化(原料化)、5.再商品化

1.回収
 ・スーパーマーケットや公共施設に設置された回収ボックス
 ・家庭ごみ(プラスチックごみ)

2.選別と分類
 リサイクル工場でリサイクル可能なものと不可能なものに選別する
 白色トレーと色柄付きトレーを分類する(同じ色で原料化させる)

3.洗浄・粉砕
 トレーを粉末状に砕き、洗浄や殺菌をする(食品の残留物や汚染物質の除去)

4.ペレット化(原料化)
 洗浄後の粉末を溶かして、プラスチック原料である「ペレット」に加工する

5.再商品化
 白色トレーから再商品化された白色ペレットは、食品トレーとしてリサイクルされる
 色・柄トレーから再商品化された色付きペレットは、ハンガーや文房具、公園のベンチなどの日用品に再利用される

食品トレーは、リサイクル促進の波にのり、回収量および技術開発が進んだことでプラスチックの再商品化に大きく貢献しています。

食品トレーは地球環境の保護に貢献している

食品トレーのリサイクルは、地球環境の保護に貢献しています。
具体的には、以下の3つのとおりです。

天然資源の節約

プラスチック製である食品トレーを新たに作るためには、石油が必要です。
しかし石油は、人工で作り出せない、限りある資源なのです。

食品トレーをリサイクルし再商品化すると、限りある資源(石油)の節約につながります。

たとえば、食品容器の製造・販売をしている株式会社エフピコは、1990年から2024年までに累計182,538トンの発泡スチロール製トレーを回収し、再利用しました。

182,538トンの発泡スチロールで削減された石油資源は、約178,887トン。
なんと、4人家族で約30,630年分、4人家族では到底使いきれないほどの石油削減に成功しています。

廃棄物の減量化

減量化とは、ごみの発生量を減らしたり処分する量を減らしたりすることを言います。

食品トレーは、家庭で燃えるごみとして捨てると焼却や埋め立てごみとして処理されますが、これではごみは一向に減らせません。

対して、食品トレーのリサイクルは、そもそもごみとして処理されないため、ごみの発生量を減らせるうえに埋め立て地不足の問題も軽減できるのです。

環境汚染の防止

食品トレーのリサイクルは、海洋汚染や土壌汚染を防ぐ役割も担っています。
特にプラスチックごみのポイ捨てや、不法投棄による海の生き物たちへの悪影響を防止しているのです。

食品トレーのリサイクルは、天然資源の節約、ごみの発生防止、生き物たちを守るなど、地球環境の保護に大きく貢献しています。

食品トレーの捨て方

ここからは「どのように食品トレーを捨てればいいのか」について解説します。

一般家庭における食品トレーの捨て方は、トレーの種類や回収方法によって異なりますが”洗って、乾かして、捨てる”が基本です。

食品トレーの捨て方~種類別~

基本の捨て方は、洗って乾かして、スーパーに設置されている回収ボックス、もしくは家庭ごみ(資源ごみ)です。

スーパーの回収ボックスに出す場合は、プラスチックの種類や色によってボックスが異なりますので、注意しましょう。

食品トレーの種類 用途例 捨て方
白色の食品トレー
(発泡スチロール製)
生鮮食品(肉・魚) 洗って乾かしたあと、汚れがない状態で
スーパーの回収ボックスか自治体のプラスチック資源ごみとして出す
色・柄付き食品トレー
(発泡スチロール製)
生鮮食品、お惣菜 白色トレーと同様
自治体によっては色・柄付き食品トレーを
資源ごみに出せない場合もあるため、要注意
透明トレー 野菜や果物、総菜容器 汚れを落とし、シールやバーコードを剥がしてから
スーパーに設置されている「透明トレー回収ボックス」か
自治体のプラスチック資源ごみとして出す

一部の食品トレーは、リサイクルできないものがあります。リサイクルできないトレーは、後述しますので、ぜひ最後までお読みいただけますと幸いです。

食品トレーの捨て方~回収方法別~

食品トレーの捨て方は、先ほど解説した「スーパーの回収ボックス」および「自治体のプラスチック資源ごみ」のほか、持ち込みもできます。

いずれにしても”洗う→乾かす→捨てる”の順番です。

回収方法 捨て方
スーパー等の店頭回収
(食品トレー回収ボックス)
汚れがない状態で種類別に分別して入れる
自治体によるプラスチック資源ごみ回収(家庭ごみ) プラスチックごみ、自治体によっては資源ごみとして
決められた曜日にごみステーションや指定場所に出す
リサイクル工場へ持ち込み 近隣のリサイクル工場や地域センターに持っていく

食品トレーは家庭ごみ? スーパー? どちらが良いのか

食品トレーは、家庭ごみでもスーパーの回収ボックスでもリサイクルされますが「どちらのほうがリサイクルに貢献できるのか」と疑問に思うかたもいるのではないでしょうか。

より、リサイクルに貢献できる捨て方は、スーパーの回収ボックスです。
なぜならば、スーパーの回収ボックスは、食品トレーをリサイクルするために設けられたボックスであり、それ以外のプラスチックが入りこまないからです。

【食品トレーの捨て方別比較表】

特徴 店頭回収 自治体回収
主体 スーパー、小売業者 市区町村
対象品目 食品トレーのみの回収ボックス プラスチック容器包装全般
(食品トレー以外も一緒の袋に入る)
リサイクル率 高い(食品トレーの回収量全体の約75%) 比較的低い
(食品トレー以外のプラスチックも混ざる場合あり)
コスト負担 店舗側(管理・運搬費用) 税金で運営
リサイクル品質 分別・洗浄済みで高品質 汚れ混入で品質低下の可能性あり

スーパーの回収のほうが食品トレーのリサイクルに特化した捨て方のため、環境への貢献度は高いと言えるでしょう。

ただし、店舗側の負担(管理や運搬費用)が大きく、規模の小さい店舗では導入していないケースもあります。

【Q&A】食品トレーのリサイクルに関する疑問解消

ここからは、食品トレーにまつわるみなさまの疑問にお答えします。

食品トレーはプラスチックごみ?

食品トレーは、基本的にプラスチックごみ、正確に言うと「容器包装プラスチック」に分類されます。
なぜならば、プラスチック素材かつ、プラスチック製品と同じ加工技術で作られているからです。

食品トレーをプラスチックごみとして出す場合のポイント

食品トレーをプラスチックごみとして自治体に出す場合のポイントは、2つあります。

①プラスチックマークが付いているか
リサイクル可能な食品トレーは、プラスチックのマークが付いています。このマークは「容器包装プラスチック」として出せることを示しているため、プラスチックマークがあるか確認しましょう。

②汚れが落ちているか
汚れたままだと洗浄ができません。プラスチックごみとして自治体に出す場合でも回収ボックスでも「洗って、乾かす」が基本ルールです。
汚れを洗い落とせたか確認して捨てるようにしましょう。

食品トレーは燃えるごみとして捨てられる?

食品トレーは、先ほどお伝えした理由から「プラスチックごみ」に分類されているため、燃えるごみではありません。

燃えるごみとして捨ててしまうと、リサイクルされずに焼却や埋め立て処理がされるなど、地球環境に悪い影響を及ぼしてしまう可能性があります。

さらに、プラスチックを焼却するとCO2が排出され地球温暖化への影響も考えられます。

ただし、リサイクルが難しい以下の場合は、燃えるごみとして捨てるようにしてください。

【燃えるごみに出す食品トレー】
①洗っても汚れが取れない
②自治体のルール上「燃えるごみ」に指定されている

まとめると、食品トレーを燃えるごみとして出すことは可能ですが、あくまで汚れが取れない場合や自治体のルールがある場合に限ります。
基本は、洗って乾かしたあと、プラスチックごみまたはスーパーの回収ボックスに出しましょう。

リサイクルできない食品トレーはあるの?

リサイクルできない食品トレーは、あります。

①汚れが取れない食品トレー
納豆の容器、カップ麺の容器などに付着する油や食品のカスは洗っても取れないことがあります。
洗っても残ってしまう”ぬめり”や臭い、油分は、食品トレーに染み込んでしまい、リサイクル工程で完全に除去することが難しいです。

②特殊な材質のトレー
耐熱性、レンジ対応、プラスチック以外の素材と混ぜて作られたトレーは、特殊な加工が施されています。そのため、一般的な食品トレーのリサイクル工程で処理できない可能性があるのです。

③一部の透明容器や特定のプラスチック製品
卵パック、コンビニ弁当の透明容器、硬い透明トレーなどの一部の透明容器は、自治体や回収業者によってリサイクル対象外とされる場合があります。

単に見た目がプラスチック製の食品トレーだからという理由だけでは、見分けがつかない食品トレーもあります。
「見た目がプラスチックっぽいからリサイクルできる」と判断せずに、プラスチックマークを目印に分別しましょう。

まとめ

まとめ

最後に記事のポイントをまとめます。

・食品トレーのリサイクルは、新しいトレーを作る材料として再商品化される
・食品トレーのリサイクルは、限りある天然資源の節約につながり、環境保護に大きな貢献ができる
・正しい捨て方は”洗って、乾かして、プラスチックごみもしくはスーパーの回収ボックス”
・汚れが取れない、自治体で指定されている場合は、燃えるごみ
・プラスチックマークの有無で捨てられるか判断する

本記事で紹介した食品トレーをはじめとするプラスチック製品は、大変便利で私たちの生活になくてはならない存在です。

一方、不法投棄や海の生き物への悪影響、処理の際の石油使用による環境負荷の課題も抱えています。

今後も綺麗で豊かな地球を守りながら生活できるように、地道なリサイクルが必要不可欠です。

本記事が食品トレーのリサイクルに対するモチベーションアップになりましたら、幸いです。

この記事が気になったらシェア!

Clean Earth for Future Generations Clean Earth for Future Generations 

Contact
お問い合わせはこちら

廃棄物処理・リサイクルなど、
お気軽にご相談ください。

Phone contact

お電話でのお問い合わせ

0952-86-5433

受付時間:8:30~17:00
(土・日・祝除く)