お役立ちコラム
2024.11.10

今更聞けないリサイクルの種類とリサイクル製品

今更聞けないリサイクルの種類とリサイクル製品

リサイクル方法は素材やその状態によって、複数のパターンがあります。
リサイクル方法によってどのような製品に生まれ変わるのかも異なるのです。
本記事では、リサイクル方法の種類ごとの説明と、再利用されている素材の例をご紹介します。また、リサイクルのためにできる方法も説明しているため参考にしてください。

リサイクルは3種類ある

リサイクルは3種類ある

リサイクルには大きく分けて3つの種類があります。

・マテリアルリサイクル
・ケミカルリサイクル
・サーマルリサイクル

方法次第で、リサイクル後にどのような製品になるのか、またはエネルギーなどに使われるのかが異なります。
同じ素材であっても、汚れや不純物が多い物は、そのまま再利用できません。できるだけリサイクルできる資源を無駄にせず、再利用できるように正しく分別、処分が必要です。

マテリアルリサイクル

マテリアルリサイクルには、水平リサイクルとカスケードリサイクルがあります。
2種類の違いと、それぞれのメリット、デメリットをご紹介します。

水平リサイクル

水平リサイクルは、使用済みの製品を原料として新しい製品を作る方法です。たとえば、ペットボトルならそのままペットボトルに、アルミ缶ならアルミ缶へと再製品化する方法で、新たに資源を消費しません。
ただし、リサイクルした原料には新品と比べて不純物がどうしても多く入ってしまいます。品質低下を招くところ、新品と同レベルの品質を維持するための工夫や技術が必要なのです。
また衛生面にも不安がある可能性も考えられるのです。資源は無駄にならない代わりに、経済的なコストや設備、品質管理のコストが求められます。
リサイクルの前後で用途が変わらないため、資源をそのまま循環できるエコな方法として注目されています。

カスケードリサイクル

カスケードリサイクルは、製品をリサイクルする際に品質をワンランク下げて再製品化する方法です。
水平リサイクルが、アルミ缶からアルミ缶へと再製品化する一方、たとえばアルミ缶から自動車部品などの金属材に作り替えるなどの例が挙げられます。
特に缶詰やジュース缶など、食品を保管する場合は、強度や衛生面の問題をクリアする必要があります。
しかし、回収したアルミやプラスチックが、そのまま安全な品質でリサイクルできるとは限りません。
再製品化する際に、品質に見合っているほかのアルミやプラスチックの原料として再利用するのです。
水平リサイクルよりもコストを抑えられる一方、リサイクルするたびに原料の品質が劣化するため、いずれは使えなくなるデメリットがあります。

ケミカルリサイクル

ケミカルリサイクルとは資源を化学合成により、原料に変える方法です。別名「化学再生法」とも呼ばれており、マテリアルリサイクルによって使用できなかった原料部分を再利用できるメリットがあります。
また、高温で熱分解するため、多少の汚れ、異物混入があってもリサイクルできるところもケミカルリサイクルのメリットです。

ケミカルリサイクルの具体例

・家畜の糞尿を化学合成によってバイオガスに作り替える
・ゴミを高炉で燃やして石炭の代替品にする
・熱分解によって生成油を作る
ケミカルリサイクルは、資源をもとに、ガスや石炭、油など、新たな資源に作り変えています。
日本では海外へ廃棄物を輸出する形でゴミを処分している現状があります。回収したゴミをそのまま焼却するのではなく、化学技術を使って別の原料に作り変えられれば資源として活用できるため、注目度が高まっています。

サーマルリサイクル

サーマルリサイクルは、再製品化が難しいゴミをエネルギーとして再利用する方法です。近年は公共施設を中心に、サーマルリサイクルによって大型施設の電気や暖房をまかなっている場所が増えています。
これまではただ焼却処分されていたゴミが、エネルギーとして役立てられているため、ほかの資源やエネルギーの節約につながります。
ただし、サーマルリサイクルは焼却している以上、ダイオキシンや二酸化炭素の発生は免れません。
できるだけサーマルリサイクルの割合を減らし、限りある資源をそのまま再利用できるよう考えることが課題と言えるでしょう。

サーマルリサイクルの具体例

・公共施設の発言
・温水プール
・植物の育成
・給湯施設や暖房
・ビニールハウスの温度調整
・蒸気

焼却の際の熱を無駄にせず、電気や暖房などに使われているだけでなく、蒸気にして工業機器を動かすためのエネルギーとして使う方法もあります。
またビニールハウスや温水プールといった、室温や水温を高く保ちたい場合でも、サーマルリサイクルの熱エネルギーが役立てられています。

リサイクルできる素材と製品

リサイクルできる素材と製品

リサイクルできる素材や製品はどのような種類があるのでしょうか?ここでは素材ごとの代表的なリサイクル方法と、再製品化の例をご紹介します。

木くず

木くずは工業用廃棄物だけでなく、DIYや使わなくなった木製家具など一般家庭でも排出されている素材です。
木くずのリサイクルは、木の皮部分を含めてさらに細かく粉砕して、堆肥やおが粉に使われています。
おが粉はおがくずよりもさらに細かく粉砕した木です。主に畜産の現場で畜産動物の床敷きなどに使われています。
ほかにも、細かく粉砕して木製のチップにしたあと、板状に固めて断熱性に優れたファイバーボードなどに作り替えられています。

がれき

建物を撤去する際に出るがれきは、さまざまな素材が混ざり合っています。
主にコンクリートやアスファルトの原料として、細かく粉砕したあと再利用されています。
舗装用のアスファルトにも、がれきの一部が使われており、車道や歩行者用の通路などに役立てられています。

ビニール

ビニールハウスや梱包用のビニールは、プラスチック素材の一種です。廃プラスチックの扱いになるため、従来であれば埋め立てか焼却処分される資源です。
しかし、どちらも環境に悪影響を及ぼすため、最近ではビニールを洗浄、粉砕後に新しい素材に作り替えられています。再度ビニール袋に作り替えられるほか、同製品へのリサイクルができない場合は、化学合成によって別の資源に生まれ変わることもあります。

アルミ

アルミはジュースや缶詰などの容器に使われています。ほかにも自動車の部品といった工業用のパーツでも、軽量で変形しやすいアルミが使われているのです。
缶詰などのアルミ缶は、高温で溶かしたあとにもう一度アルミ缶にリサイクルされる割合が6割程度です。そして残りは自動車の部品といった、パーツにリサイクルされています。

スチール

スチールは飲み物などの缶、鉄筋、鉄板など幅広い物に使われています。
スチールの缶詰はリサイクルによって、再び缶詰になるほか、鉄の素材として鉄板、鉄骨といった建築資材に生まれ変わります。

金属製品

自転車、金属棚、家電、家具の接合部などに使われる金属は、多くが溶かされて再び金属製品に生まれ変わります。
家電製品は鉄や銅、アルミ、銀など金属の種類ごとに分けられて、それぞれ再び家電用の部品や家具のパーツなどに作り変えられています。

古紙

新聞や雑誌、広告紙などの古紙は、再び紙にリサイクルされることが多いです。リサイクルされた紙は新聞紙や雑誌のほか、段ボール箱やトイレットペーパーなど、生活に欠かせない紙類に作り替えられるのです。
使わない紙をむやみに燃やすゴミの袋に入れてしまうのは、せっかくの資源の浪費と言えます。メモ紙、送られてきたハガキや手紙など、不要になった紙類はシュレッダーにかけるなどして、個人情報に気をつけたうえで古紙としてリサイクルに出しましょう。

ダンボール

ダンボールは製紙工場に運ばれたうえで再びダンボールの原紙になります。ダンボールを一度水に溶かして不純物を取り除いた後、ダンボールや封筒などに作り替えられるのです。
ダンボールは繰り返し使えるうえ、梱包や緩衝材など物流において欠かせない存在です。ただし、液体などで汚れている、カビが生えているなど衛生面に問題があるダンボールは、リサイクルできない可能性があるため保管の際に注意しましょう。

リサイクルのためにできる3つのこと

リサイクルのためにできる3つのこと

リサイクルを心がけるうえで、普段からできることをご紹介します。
地球の資源は有限であり、環境汚染が進めば動物や植物の生態系にも悪影響が広がってしまいます。

だからこそ、今一度リサイクルについて考えてみてはいかがでしょうか。

再生利用できる物が何か知っておく

そもそも何を再生利用できるのか、知っておくことが資源を無駄にしないための基本的なポイントです。普段ゴミとして処分している中に、リサイクルできる物が隠れていることもあります。
何気なく捨てるのではなく、リサイクルできるかどうか、一度立ち止まって考えてみましょう。
リサイクルできるか判断できない物は、自治体が発行しているゴミの処分方法を記載した冊子、公式ホームページを見てみましょう。

外出先のゴミを持ち帰り分別する

外出先のゴミ箱は、細かい分別ができない可能性があります。きちんと素材や製品ごとに分別して処分するには、自宅に持ち帰ったうえで分別しましょう。
そもそも外出先でゴミをできるだけ出さないように、マイボトルを持参したり、弁当箱を使ったりと使用量を減らしましょう。
周りが捨てていたとしても、そこにゴミを捨てて良いとは限りません。リサイクルできる物を焼却処分される可能性があるため、できるだけゴミは持ち帰って家で捨てることを習慣化してください。

リサイクル製品を積極的に購入する

リサイクル製品を積極的に購入して、資源を再利用する方法が節約になります。
たとえば、再生紙マークがついているメモ帳やノートなど、リサイクル製品だとわかる「エコマーク」がついた製品を購入しましょう。
ほかにも、文房具や食品用のトレーなど、生活に欠かせないアイテムの中に、リサイクル製品が数多く存在します。
洋服、バッグなどのアパレルも、リサイクルされた原材料から作られる物もあります。新たなリサイクル製品の開発に取り組んでいる自治体も増えているため、欲しい物がリサイクル製品で販売されていないか調べてみましょう。

まとめ

リサイクル方法は、再び同じ製品にするマテリアルリサイクルのほか、別の原材料に作り替えるケミカルリサイクル、熱エネルギーを使うサーマルリサイクルなどがあります。
リサイクルできる素材を知っていれば、捨て方を見直すきっかけになるため、今回ご紹介した再利用のポイントを覚えておきましょう。

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