ゴミを減らすリデュースは、SDGsの目標達成に欠かせません。
なぜならばリデュースは、環境問題を解決するための重要な取り組みであり、SDGsにもゴミ問題を解決するための目標があるからです。
本記事は「SDGs入門」と題して、SDGsとリデュースの基礎知識と今日からできる実践的な取り組みを中心に幅広く解説します。
地球温暖化や資源の枯渇など「何かしたいけど、何から始めればいいの?」
そんな風に思っているあなたへ。
ごみを出さない生活は、地球だけでなく私たちの暮らしも豊かにする可能性を秘めていることを感じていただけるはずです。
SDGsとリデュースは密接に関わりあっている
SDGsは、世界中のあらゆる環境を良くする17個の目標があり、ゴミの問題や地球の資源に関することも含まれています。
対してリデュースは、ゴミを減らすための取り組みの1つであるため、SDGsの目標達成に欠かせない行動の一つです。
このように、一見単独の目標に見えるリデュースの取り組みも、実際には多くの目標と関連し、SDGs全体の達成に向けた重要な要素となっています。
SDGsとはよりよい世界を目指す国際目標
SDGs(エス・ディー・ジーズ)とは、地球環境などをはじめとする世界中で起きている問題を解決する国際目標のことを指しています。
語源は「Sustainable Development Goals(サスティナブル・ディベロップメント・ゴールズ)」で、日本語に訳すと「持続可能な開発目標」という意味です。
なぜ、SDGs=「持続可能な開発目標」が始まったかというと、かつて、環境問題や社会課題は、国や国際機関が対処すべきという考え方が一般的でした。
しかし、近年深刻化する環境や社会問題は、国や国際機関だけでは対処しきれなくなっています。
そこで、豊かな国もそうでない国も、企業や団体、個人が協力して、世界中の誰もが幸せに暮らせるようにと始まったのがSDGsです。
「持続可能な開発目標」というと難しい言葉に聞こえますが、経済・社会・環境の3つの側面のバランスが取れた世界を目指すために続けるべき、続けられる行動と捉えられています。
SDGsには17のゴール(目標)と169のターゲットがある
SDGsは、2030年までに達成する17個の目標と169個のターゲットを掲げており「地球上の誰一人取り残さない」という誓いのもと、貧困・飢餓・環境問題・経済成長、さらにはジェンダーなど世界中の課題が含まれています。
今回は、SDGs17個の目標の中から、リデュースに関する目標を3つをご紹介します。
リデュースとはゴミの量を減らすこと
リデュースとは、ゴミの量を減らすための取り組みとして使われる用語です。
リデュースすることで、廃棄物処理にかかる費用やエネルギーの削減、さらには温室効果ガスの排出量削減に繋がります。
SDGs×リデュース=地球の資源に関する3つの目標
SDGsとリデュースはどちらも地球環境をテーマとする話題でよく使われる言葉であり、密接な関わりがあります。
なぜならば、SDGsにもゴミの問題や地球の資源に関する目標が含まれているからです。
また、SDGsの目標17個は互いに関連しているため、リデュースの取り組みも間接的にすべての目標に関係していると言えます。
以下より、リデュースに関わるSDGsの目標である、
・目標12「つくる責任つかう責任」
・目標13「気候変動に具体的な対策を」
・目標14「海の豊かさを守ろう」
について解説していきます。
①目標12「つくる責任つかう責任」
SDGsの目標12は、持続可能な新しい消費と生産のパターンを確保することを目指しています。
普段わたしたちは、身の回りのものを使わなくなったり、壊れたりしたら、捨てることがほとんどです。
しかし、リデュースは「捨てる」機会を減らすことが重要です。
物を作っている生産者が、丈夫で長持ちする素材を使ったり、長く使えるデザインを考えたりすることで、私たちが何度も買い替える必要がなくなります。
一方、使う側の消費者も「素敵」「欲しい」といった欲だけで買うのではなく「長く使えるかどうか」「用途が1つに限られないか」など、買ってすぐ捨てない物を買うことが求められます。
生産者は、消費者が使い続けられる物をつくり、消費者は、長く使い続けることを前提に物を選び、買う。
これが、持続可能な新しい消費と生産のパターンを確保することにつながります。
②目標13「気候変動に具体的な対策を」
皆さんは、ゴミを捨てるときや捨てたあと、そのゴミがどのように処理されるのか知っていますか?
ゴミは機械を使って破砕や焼却処理などをしますが、その際に二酸化炭素(CO2)が発生します。
大気中には、酸素や二酸化炭素などが目に見えなくても存在しており、そのバランスを保つことが地球環境の維持に重要です。
しかし、ゴミの処理量と比例して二酸化炭素の排出量が増えると、地球の気温が上昇し地球温暖化を悪化させてしまうのです。
地球温暖化は、猛暑、豪雨、大雪、干ばつなどあらゆる異常気象が発生するリスクを抱えています。
日本でも「暖冬」「最高気温更新」「記録的大雨」など、地球温暖化に伴う異常気象が年々増えているのが現実です。
気候変動を防ぐ対策のひとつが、二酸化炭素排出量を抑制する廃棄物量の削減、すなわちリデュースなのです。
③目標14「海の豊かさを守ろう」
海やビーチに、ゴミが捨てられている光景を見たことがある方も多いのではないでしょうか。
数年前から海洋汚染が注目されたことにより、海の環境と海に住むウミガメや魚などの保護の重要性が知られるようにもなりました。
SDGsは、海に捨てられたり、流れ着いたりするゴミによって海が汚れてしまうのを防ぎ、いつまでもきれいな海を保とうとしています。
リデュースは3Rで一番だいじな取り組み
3Rとは、Reduce(リデュース)、Reuse(リユース)、Recycle(リサイクル)の3つのRを総称した言葉です。
・Reduce(リデュース):ゴミを減らす
・Reuse(リユース):中古品など使用済み製品を繰り返し使用する
・Recycle(リサイクル):廃棄物を新しい製品などを作る原料やエネルギーに変えて使用する
3Rの取り組みは、ゴミの捨て方や使い方を変えるきっかけになる取り組みです。
そしてこの3Rの中で、一番大事な取り組みはリデュースとされています。
なぜならば、資源には限りがあるからです。
ここで言う資源は、ノートや箱ティッシュのように使い切っても買い足すことができないモノをいいます。
たとえば、紙の原料である木は勝手に成長しませんし、ゴミを処理するための電力エネルギーも自然に生み出されることはありません。
ゴミを減らすことで、限りある資源の節約につながるため、リデュースが一番大事な取り組みなのです。
リデュースをするメリット
リデュースをするメリットは5つです。
・エネルギーの使用を抑えられる
・二酸化炭素の排出を抑えられる
・コスト削減
・ゴミ処理にかかる費用削減
・地球環境、SDGsに貢献できる
1つひとつ、解説していきます。
メリット①エネルギーの使用を抑えられる
前章でご説明したように、廃棄物を処理する際は、機械を動かすための電気や火力など、多くのエネルギーを使いますが、エネルギーには限りがあります。
リデュース=ゴミを減らすことで、エネルギーの使用が抑えられることは、最大のメリットです。
メリット②二酸化炭素の排出を抑えられる
目標13「気候変動に具体的な対策を」でもお伝えした二酸化炭素の排出は、SDGsの目標にするほど地球環境にとって大きい影響です。
というのも、今のまま二酸化炭素が排出され続けると、以下のような現象が起きやすくなるからです。
・干ばつが起きなかった地域で干ばつが起きることによる食料不足
・記録的豪雨による2次災害の頻発
・異常気象による交通の乱れやライフライン(電気、ガス、水道)の使用停止
リデュースの取り組みは、私たちの生活に影響を及ぼす二酸化炭素の排出を抑える役割があります。
メリット③コスト削減
普段使用している紙を電子化することができれば、コストダウンが期待できるでしょう。
たとえば、商品を買う人が会社のホームページから説明書をダウンロードできるようにすれば、紙を使わなくて済むため紙の購入・印刷・封入作業のコストが削減できます。
また、梱包や容器を簡素化・軽量化することで、素材として使われるプラスチック削減につながるだけでなく、材料の製造・購入のコストダウンも可能です。
メリット④ゴミ処理にかかる費用削減
ゴミ処理にかかる費用削減は、一般家庭のメリットです。
市町村が処理をおこなうゴミ処理場では、施設の稼働やプラスチックやガラスなど素材ごとに分ける仕分け作業のお金に税金が使われています。
リデュースによりゴミを減らすことができれば、ゴミ処理にかかる税金の削減が可能です。
浮いた税金は、森を育てたり、きれいな川を増やしたりといった、地球をきれいにする取り組みに使うことができます。
メリット⑤地球環境、SDGsに貢献できる
SDGsについてお伝えしてきましたが、まだまだ「大きな目標に対して、自分には何もできない」と感じてしまう方もいるかもしれません。。
しかし、プラスチックゴミ問題など身近なリデュースの取り組みをすることで、地球環境・SDGsに貢献できるためとても誇らしい気持ちになるでしょう。
今日からできる!リデュースの取り組み例【5選】
「具体的に何をすれば良いの?」
「自分ができるリデュース取り組みは何があるの?」
とリデュースの活用例を知りたい方も多いはずです。
ここからは、今日から誰でもできるリデュースの取り組み例を5つ紹介します。
・マイバッグ持参でレジ袋削減
・詰め替え製品や簡易包装の製品を選ぶ
・必要最低限のみ買う、最後まで使い切る(食品ロス)
・長く使える製品を買う、手入れしながら大切に使う
・利用頻度が低いものはレンタルやシェアリングサービス
それでは、確認していきましょう。
①マイバッグ持参でレジ袋削減
1番簡単な方法は、マイバッグを持って買い物に行くことです。
レジ袋有料化に伴い習慣化されているとは思いますが、続けていくことで「持続可能」につながります。
②詰め替え製品や簡易包装の製品を選ぶ
シャンプーやボディソープなどのボトル製品を詰め替えにすることで、毎回新しいボトルを買う必要がなくなり、プラスチックゴミを減らすことができます。
また、1つの商品で食器洗いやお風呂、床掃除で使える洗剤に変えると、ゴミの量も3分の1に減ります。
さらには「環境配慮型」として、地球環境に影響が少ないプラスチック包装の製品を使用することもリデュースの取り組みの1つです。
③必要最低限のみ買う、最後まで使い切る(食品ロス)
食材を購入しても「最後まで使い切ることができなかった」「いつの間にか切れてしまった」という賞味期限切れの食品廃棄は、日常生活で誰もが経験しているでしょう。
食材ロスを防ぐために、小分けになっている食品を選んだり、必要なものに絞って買い物したりすることもリデュースです。
余った食品はフードドライブに寄付しよう
食品ロスの中には、お歳暮や暑中見舞い、長期休暇などでいつもより長時間家に居るからと買いすぎてしまった食品を捨てる場合もありますよね。
そこで、余った食品はフードドライブに寄付することをおすすめします!
フードドライブとは、家庭で余っている食品を集めて必要としている生活困窮者支援団体、子ども食堂、福祉施設などに寄付する取り組みのことです。
お餅、お菓子、調味料、缶詰、レトルト食品、さらには飲料などを寄付できます。
未開封の食品、賞味期限などいくつか条件はありますが、貰いものや買いすぎてしまった食品を捨てずにすみます。
さらに、フードドライブ寄付は、SDGsの「目標②飢餓をゼロに」「目標③すべての人に健康と福祉を」への貢献も可能です。
佐賀県では県内のスーパー約25店舗でフードドライブを行っていますので、ぜひ活用しましょう。
④長く使える製品を買う、手入れしながら大切に使う
リデュースの取り組みをするうえでは「安いから買う」という考えではなく「長く使える製品を買う」「手入れしながら長く大切に使う」という意識を持つことが大事です。
流行や自分が好きなスタイル・デザインを諦めるほど取り組む必要はありませんが、買うときには長く使うかどうかの視点を少しだけ持ってみましょう。
⑤利用頻度が低いものはレンタルやシェアリングサービス
普段は使う機会が少ない物はレンタルやシェアリングサービスを活用してみましょう。
シェアリングサービスとは
シェアリングサービスとは個人間、個人と企業間で活用可能な資産(場所・モノ・スキル等)を貸し出しするサービスのことです。
民泊やカーシェア、コワーキングスペースなどの一般的なものから、変わったサービスまで様々あります。
代表的なシェアリングサービスを紹介
以下は、代表的なシェアリングサービスの一例です。
・廃墟や古民家、劇場などを貸し出して、一風変わったパーティーなどができる空間シェア
・「特別な日に使いたい」「高くて買うか迷うけど試しに使ってみたい」を叶えるブランドバッグの使い放題
・高級車やクラシックカーなどのカーシェア
・地域の暮らし体験として一般家庭にお泊りして料理などを楽しむ
・ベビーシッター、民泊、家事代行
レンタルやシェアリングサービスを使うとリデュースの取り組みになるうえに、普段できないような体験をする機会も増えるかもしれません。
まとめ
リデュースは、今日からできる身近な取り組みです。
さらに、一人ひとりがリデュースに対する意識を持つことで地球の資源が守られ、SDGsへの貢献にも繋がります。
株式会社イワフチでも、故紙(こし)、ペットボトル、廃プラスチックなどの廃棄物減量化をおこなうことで、リデュースおよびSDGsへ貢献しています。
また、リデュースをはじめとするリサイクル・不用品・廃棄物などの情報提供を行っていますので、ぜひ当社コラムをお読みいただき、一緒に環境を守る取り組みをおこなっていきましょう。