お役立ちコラム
2026.07.10

夏に増える“危険ごみ”とは?高温で事故が起きる理由

夏に増える“危険ごみ”とは?高温で事故が起きる理由

夏の高温環境は、危険ごみの処分方法を間違うと大きな事故につながる可能性があります。

特に破裂や火災は、普段何気なく使っている物を処分する時にこそ注意が必要なのです。この記事では危険ごみとは何か、高温で事故が起きる理由をご紹介します。

これからの夏に向けて、家の不用品を整理したい人はもちろん、普段から分別を意識している方もぜひ今一度参考にしてください。

夏に注意したい「危険ごみ」とは?

夏に注意したい「危険ごみ」とは?

夏に注意したい危険ごみとは、発火や破裂により収集車・処理施設での火災につながる恐れのある不要物です。

家庭では小さな不用品に見えても、収集時の圧縮や処理施設での破砕によって、事故の原因になる場合があります。

普段のごみ出しで見落としやすい品目もあるため、以下で詳しく解説します。

危険ごみは発火・破裂・火災につながるごみ

危険ごみの代表的な品目には、以下のようなものがあります。

・リチウムイオン電池
・使い捨てライター
・スプレー缶
・カセットボンベ
・乾電池
・小型家電など

たとえば、モバイルバッテリーを不燃ごみに混ぜると、収集車の中で押しつぶされる可能性があります。内部の電池が傷つくと、発熱や発火など危険な事故が起きるリスクがあるのです。

ライターやスプレー缶も同じです。中にガスが残った状態でごみ袋に入れると、圧力や衝撃によってガスが漏れ、火災の原因になるおそれがあります。

危険ごみは、家庭内で不要になった時点では危険に見えにくい品目です。しかし、ごみ処理の工程に入ると強い力が加わるため、通常の廃棄物とは分けて出す必要があります。

夏は高温環境によって事故リスクが高まりやすい

夏は気温が高くなるため、危険ごみの事故リスクが上がりやすい時期です。

ごみ集積所は屋外にある場合が多く、直射日光を受けると袋の中の温度も上がります。収集車の荷台も熱がこもりやすく、電池類やガスを含む容器に負担がかかります。

特にリチウムイオン電池は、強い衝撃や高温環境によって劣化や発熱のリスクが高まる性質があります。

古いモバイルバッテリーや、膨らんだ充電式電池は特に注意が必要です。暑い車内や日当たりのよい場所に置いたままにせず、使用をやめた時点で回収方法を確認してください。

自己判断が事故につながる

危険ごみは、自己判断で通常のごみに混ぜると事故につながります。

「少ししか残っていないから大丈夫」「小さい家電だから不燃ごみでよい」と判断すると、収集や処理の途中で火災が起きる可能性があります。

たとえば、ガスが残ったライターを可燃ごみに入れると、収集車で圧縮された際に破損し、収集車火災や周囲の人のけがにつながるおそれがあります。

家庭で正しく分別することは、収集作業員や処理施設で働く人の安全を守ることにつながります。危険ごみの分別は、リサイクル現場を止めないためにも重要な行動です。

リチウムイオン電池は夏の危険ごみの代表例

リチウムイオン電池は夏の危険ごみの代表例

リチウムイオン電池は、夏に特に注意したい危険ごみです。

スマートフォン周辺機器や小型家電に広く使われているため、家庭の中に複数あるケースも少なくありません。

身近な製品ほど通常の廃棄物に混ぜやすいため、以下で具体的に確認します。

モバイルバッテリーや充電式家電に使われている

リチウムイオン電池は、スマートフォンやモバイルバッテリーだけでなく、多くの日用品に使われています。

また、意外なものとして次の製品にもリチウムイオン電池が使われている傾向があります。

・子どものおもちゃ
・ハンディライト
・充電式カイロ
・工具用バッテリーなど

つまり充電して繰り返し使う製品は、リチウムイオン電池が入っている可能性を考える必要があります。

処分時に見落としやすいのは、小型で軽い製品です。ワイヤレスイヤホンの片耳だけ、壊れた電子たばこ、使わなくなった携帯用扇風機などは、通常の廃棄物に入れてしまいやすい品目ですので、捨てる前に電池の有無を確認しましょう。

強い衝撃や圧縮で発火するおそれがある

リチウムイオン電池は、強い衝撃や圧縮によって発火するおそれがあります。

ごみ収集車では廃棄物を多く積むために袋を圧縮します。その際にモバイルバッテリーや充電式小型家電が押しつぶされると、内部でショートが起きる場合があります。

処理施設でも同じ危険があります。不燃ごみや粗大ごみは破砕機にかけられることがあり、電池が混ざっていると火花や発熱の原因になります。

膨らんでいる電池、落として変形した電池、充電中に熱くなる電池は注意が必要です。異常がある電池を通常のごみに入れると、収集や処理の途中で事故につながる可能性が高まります。

ライターやガスが残った容器が発火につながる3つの理由

ライターやガスが残った容器が発火につながる3つの理由

ライターやスプレー缶、カセットボンベは、内部に可燃性ガスが残りやすい危険ごみです。

見た目では中身の有無を判断しにくく、収集車の圧縮や処理施設での破砕によって火災につながる場合があります。

ガスを含む廃棄物は、自己判断で処理せず、次のようなポイントに注意しましょう。

使い捨てライターは中身が残っていると危険

ライターやチャッカマンは小型でプラスチック製であるため、プラスチックごみとして処分しがちです。しかし、実際は発火リスクがある危険ごみに分類されています。

ガスが残っていると高温や圧力、衝撃によって発火や破裂につながるおそれがあります。高温環境では放置による爆発リスクもあるため、必ずむやみに放置せず、自治体の危険ごみの捨て方を調べて処分しましょう。

スプレー缶・カセットボンベは自治体ルールの確認が必須

スプレー缶やカセットボンベは、自治体ごとに出し方が異なります。

殺虫スプレー、制汗スプレー、ヘアスプレー、カセットボンベなどには、可燃性ガスが使われている場合があります。中身が残ったまま廃棄物に出すと、収集車や処理施設で破裂、火災のリスクがあるのです。

注意したいのは、缶に穴をあけるかどうかの判断です。地域によっては中身を使い切ってから穴をあけずに出すルールもあるため、事前にチェックしましょう。

東京消防庁の事例からも発火源として注意が必要

ごみ収集車の火災では、リチウムイオン電池だけでなく、エアゾール缶やライターも発火源になっています。

東京消防庁によると、令和6年に発生したごみ収集車火災33件のうち、リチウムイオン電池関連は14件でした。次いでエアゾール缶等が8件、ライターが3件と報告されています。

この数字からも、危険ごみの火災は電池だけで起きているわけではないと分かります。スプレー缶やライターのような身近な不用品も、分別を誤ると収集現場で大きな事故につながります。

リチウムイオン電池に注意するだけでなく、ガスを含む製品も同じように確認してください。廃棄物を出す前のひと手間が、収集作業員や地域住民の安全を守ります。

夏に危険ごみの事故が起きやすい3つの理由

夏に危険ごみの事故が起きやすい3つの理由

夏に危険ごみの事故が起きやすい理由は、高温、圧縮、破砕が重なりやすいためです。

家庭から出た廃棄物は、集積所に置かれた後、収集車で運ばれ、処理施設で分別や破砕を受けます。それぞれの段階で、電池やガス入り容器に負担がかかります。

夏場は通常より事故リスクが高まりやすいため、廃棄物を出す前の確認が重要です。以下で詳しく解説します。

集積所や車内で廃棄物が高温になりやすい

夏は直射日光や気温上昇の影響で、ごみ集積所や収集車内の温度が上がりやすくなります。

特に、アスファルトの上に置かれたごみ袋や、風通しの悪い場所にある集積所では熱がこもりやすい状態です。袋の中にモバイルバッテリーやスプレー缶が混ざっていると、高温の影響を受ける可能性があります。

夏の片付けで古い電池やガス缶を処分する際は、通常の廃棄物に混ぜないでください。自治体の回収方法を確認し、危険ごみとして分けて出す必要があります。

収集車の圧縮で強い力がかかる

ごみ収集車では、限られた荷台に多くの廃棄物を積むため、袋ごと圧縮しながら収集します。

この圧縮の力によってリチウムイオン電池がつぶれたり、ライターやスプレー缶の容器が破損したりする場合があります。電池の内部でショートが起きると発熱し、周囲の廃棄物に燃え広がるおそれがあります。

ガスが残った容器も同様です。圧力で容器が壊れると可燃性ガスが漏れ、火花や熱と重なったときに火災につながります。

東京消防庁も、誤った分別によってごみ収集車から出火する火災が発生していると注意喚起しています。収集車での事故を防ぐには、家庭で危険ごみを分ける作業が欠かせません。

処理施設での破砕・選別時にも事故が起きる

危険ごみの事故は、収集後の処理施設でも発生します。

不燃ごみや粗大ごみ、小型家電などは、処理施設で破砕や選別の工程に回る場合があります。この段階で電池やガス入り容器が混ざっていると、衝撃や摩擦によって発火する可能性があります。

処理施設で火災が起きれば、設備の停止や作業員のけがにもつながります。

家庭で見ると小さな不用品でも、処理施設では大きな事故の原因になります。危険ごみを正しく分ける行動は、リサイクルの流れを止めないためにも重要です。

危険ごみを安全に出すための基本ルール

危険ごみを安全に出すための基本ルール

危険ごみを安全に出すには、家庭での確認と分別が欠かせません。

同じ品目でも自治体によって扱いが異なるため、地域のルールを調べてから出す必要があります。事故を防ぐための基本を、以下で詳しく解説します。

まずは自治体の分別表を確認する

危険ごみを出す前には、自治体の分別表を確認してください。

危険ごみの名称は地域によって異なります。「有害ごみ」「危険ごみ」「小型家電」「資源物」など、同じ品目でも分類が変わる場合があります。

たとえば、充電式小型家電を専用ボックスで回収する地域もあれば、販売店やメーカーが回収を案内する地域もあります。スプレー缶についても穴をあける地域と、穴をあけずに出す地域があります。

確認方法は、自治体サイト、ごみ分別アプリ、回収カレンダーが基本です。引っ越し後や久しぶりに処分する品目は、以前住んでいた地域のルールで判断しないようにしてください。

電池類はほかの廃棄物に混ぜない

電池類は、ほかの廃棄物に混ぜずに分けて出す必要があります。

リチウムイオン電池、乾電池、ボタン電池などは、収集や処理の途中でショートする可能性があります。金属やほかの電池と触れると、発熱、発火、破裂につながってしまいます。

端子部分を保護することで、金属との接触による事故を防ぎやすくなります。

ただし、回収方法は自治体や回収拠点によって異なります。電池を袋にまとめる前に、分別表や回収ボックスの注意書きを確認してください。

ガスが残るものは自己判断で処理しない

ライター、スプレー缶、カセットボンベは、自己判断で処理しないでください。

ガスが残った状態で穴をあけると、近くの火気や静電気で引火するおそれがあります。一方で、地域によっては中身を出し切ったうえで、指定の方法で出すよう案内している場合もあります。

スプレー缶やカセットボンベの処分方法は自治体によって違うからこそ自己判断せず、常に最新の地域ルールを確認しましょう。

リサイクルを進めるためにも危険ごみの分別が大切

リサイクルを進めるためにも危険ごみの分別が大切

危険ごみの分別は、火災を防ぐだけでなく、リサイクルを安全に進めるためにも重要です。

危険ごみが資源物や不燃ごみに混ざると、選別作業が止まり、せっかく回収した資源を活かせない可能性があるのです。そこで危険ごみを分ける意味について、以下で詳しく解説します。

危険ごみが混ざると資源物の回収にも影響する

危険ごみが混ざると、資源物の回収やリサイクルにも影響します。

資源物や不燃ごみにリチウムイオン電池、ライター、スプレー缶が紛れ込むと、収集車や処理施設で火災が起きるおそれがあります。火災が発生すれば、選別ラインの停止や設備の損傷につながります。

回収された資源を安全に循環させるには、家庭で危険ごみを混ぜない行動が必要です。正しい分別は、廃棄物を減らすためだけの作業ではありません。資源を安全に再利用するための入口になります。

収集作業員や処理施設を守る行動になる

危険ごみを正しく分けることは、収集作業員や処理施設で働く人の安全を守る行動です。

家庭では小さなライターや電池でも、収集車の中では強い圧力を受けます。処理施設では破砕や選別の工程に入るため、火花や発熱が起きる危険もあります。

そしてごみ袋の中に混ざった危険ごみは、現場の作業員が事前に見つけにくい点も問題です。

分別を面倒な作業と捉えるのではなく、事故を防ぐ行動として考えてください。家庭での確認が、地域のごみ処理を安全に支えます。

夏こそ家の中の危険ごみを見直すタイミング

夏は家の中にある危険ごみを見直すタイミングです。

気温が高くなる前や夏の片付け時に、古いモバイルバッテリー、膨らんだ充電式電池、使い切ったライター、期限切れのスプレー缶を確認してください。

特に、引き出しに入れたままのモバイルバッテリーや、キャンプ用品と一緒に保管しているカセットボンベは見落としやすい品目です。使わないまま長期間保管している場合は、状態を確認しておくと安心です。

まとめ

夏の高温は危険ごみの発火、破裂リスクが高まる原因です。だからこそ不要になった危険ごみは通常の廃棄物に混ぜず、自治体や販売店の回収方法に従って処分しましょう。

これからの夏の前に危険ごみに該当するような、モバイルバッテリー、ガス缶などを整理して高温時期の事故リスクを減らしましょう。

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