燃えるごみに入れてはいけないものを混ぜると、大きな事故につながる可能性があると知っていますか?
また、リサイクルができないなど環境にも悪影響が出るリスクも、ごみを分別する上で覚えておきたいポイントです。
本記事では、燃えるごみで廃棄してはいけないものと、その理由について詳しく解説します。同時に、燃えるごみに出せない危険性のある不用品の処分方法もまとめているため、ぜひ参考にしてください。
目次
燃えるごみで廃棄NGなものを捨てると危険な3つの理由

燃えるごみに入れてはいけないものを混ぜると、収集車での火災や破裂の危険性があります。
ほかにも処理施設の停止、再利用できる資源が有効活用されないなど、さまざまなデメリットがあるのです。まずは、なぜ廃棄NGなものを捨てることが危険なのか、リスクについて見ていきましょう。
収集車で発火や破裂などのトラブルが起きる
燃えるごみに危険物を混ぜると、収集車の中で発火や破裂が起こるおそれがあります。
たとえば、リチウムイオン電池は圧縮時の衝撃で内部が損傷すると発火しやすく、スプレー缶やガス入り製品は残った可燃性ガスが原因で破裂につながってしまうのです。
特にモバイルバッテリーなどがごみ収集車で押しつぶされると、発火して大きな火災や爆発を引き起こすケースがあります。家庭で何気なく捨てた小型製品でも、収集の現場では重大事故のきっかけになり得るため、きちんと分別が必要です。
処理施設での作業の停滞
誤って混入した危険物は、リサイクル施設などの処理施設の作業も止めてしまう原因です。これは破砕機や搬送設備で火災が起きると、消火対応や設備点検が必要になり、ごみ処理全体の流れに影響するためです。
不要物に混入したリチウムイオン電池の発火などによる被害額は、2018年度から2021年度までの4年間で約111億円に達しました。
火災そのものだけでなく、設備の修繕や受け入れ停止によって、市民生活にも影響が及ぶ点は見過ごせません。
資源化できる素材を処分するリスク
燃えるごみに入れると、本来は再資源化できる素材まで失われる可能性があります。
これは小型家電や充電池には鉄、アルミ、銅に加えて、レアメタルなどの有用な金属が含まれているためです。こうした使用済み小型家電のリサイクルを通じて、レアメタルを含む資源の回収は、環境省が積極的に進めてきました。
分別せずに燃えるごみとして処分すると、安全面の問題だけでなく資源を活用する機会も失います。危険だから分けるだけではなく、資源として生かせるものを正しく循環させることにも大切な意味があるのです。
燃えるごみで特に事故につながりやすいNG廃棄物3選

燃えるごみに混ぜてはいけないものの中でも、火災や爆発、有害ガスの発生につながりやすい品目は優先して知っておく必要があります。
以下で、特に事故につながりやすい理由を品目ごとに解説します。
リチウムイオン電池
リチウムイオン電池は、燃えるごみに混ぜると発火事故につながりやすい代表例です。ごみ収集車や処理施設では、ごみを圧縮したり破砕したりする工程があるため、電池がつぶれると内部でショートが起こり、発煙や発火する可能性があるのです。
また、スマートフォンやモバイルバッテリーなどわかりやすいものだけでなく、ワイヤレスイヤホン、加熱式たばこ、ハンディファンのように、電池が内蔵されていると気づきにくい製品も増えています。
見た目だけで判断せず、充電式かどうかを確認したうえで、自治体や回収拠点の案内に沿って処分することが欠かせません。
スプレー缶・ガスボンベ
スプレー缶やガスボンベも、燃えるごみに入れてはいけない危険物です。中身が残ったまま収集されると、収集車の圧縮や処理工程の衝撃で可燃性ガスが漏れ、引火や爆発につながるおそれがあります。
環境省は、廃エアゾール製品等の排出時には中身を最後まで使い切り、缶を振って充填物が残っていないか確認するよう通知しています。
ガス抜きキャップがある製品は火気のない風通しの良い屋外でガスを出し切るなど、正しい処分方法が求められます。燃えるごみに混ぜるのではなく、地域で指定された危険ごみや不燃ごみなどの区分を確認して排出することが大切です。
薬品・化学品
薬品や化学品は成分の異なる薬品がごみ袋内で混ざると、発熱や有害ガスの発生などにつながる可能性があります。
具体例として、塗料や石油類、薬品類、農薬、劇薬などはたとえ空になった容器でも、むやみに燃えるごみとしては処分できません。
自治体で収集できないごみは購入店、メーカー、専門業者へ相談しましょう。ラベルに危険、毒物、酸性、アルカリ性などの表示がある場合は、通常の家庭ごみとして扱わず、容器のまま保管して相談先を確認する流れが安全です。
他にも要注意!燃えるごみに入れてはいけないごみ2選

燃えるごみに入れてはいけないものは、発火や爆発のおそれがある危険物だけではありません。
刃物や割れ物は作業員のけがにつながりやすく、家電は金属や電子部品を含むため、燃えるごみとして扱えないことが多くあります。
以下で、見落としやすい2種類を具体的に解説します。
刃物・割れ物(針・カミソリ・ガラス・陶器)
刃物や割れ物は、燃えるごみではなく、不燃ごみや埋立ごみなどの区分で扱われることが多い品目です。
ごみ袋を破ってしまいやすく、収集や選別の作業中に作業員がけがをする危険もあります。
自治体によっては、厚紙などで包んだうえで危険表示をして排出するよう案内しているため、忘れずにチェックしましょう。
家電(電子レンジ・ケトルなど)
電子レンジや電気ケトルのような家電は、ごみ袋に入る大きさでも、燃えるごみとは限りません。家電には金属、基板、配線、モーターなどが使われており、不燃ごみなどに該当するケースが多くあります。
また、自治体によっては小型家電として回収する場合や、粗大ごみとして扱う場合もあります。外せる電池がある製品では、電池だけ別回収になることもあるため、見た目のサイズだけで燃えるごみと判断しないことが重要です。
これはどっち?迷ったときの見分け方チェック
燃えるごみに入れてよいか迷う製品は、見た目だけで判断しないことが大切です。確認したいのは、充電式かどうか、可燃性ガスを含む表示があるか、薬品としての注意表示があるかの3点です。
・充電できる・USB端子がある
・スプレー缶などの「火気と高温注意」表示
・危険・毒物・酸性/アルカリ性表記
以下で、迷ったときに確認したいポイントを順に解説します。
充電できる・USB端子がある
充電できる製品やUSB端子が付いた製品は、充電池を内蔵している可能性があります。
小型の電子機器や雑貨に見える製品でも、内部にリチウムイオン電池が入っていることがあるため、燃えるごみとして出さないよう注意しましょう。
USB充電式のハンディファン、ワイヤレスイヤホン、加熱式たばこ、電動歯ブラシのように、見た目は小さくても充電式の場合、リチウムイオン電池が使われているケースがあります。
充電ケーブルの差し込み口がある、充電台が付属している、電池交換ではなく充電して使う仕様になっている場合は、特に可能性が高いため説明書を見てみましょう。
スプレー缶などの「火気と高温注意」表示
スプレー缶やガス系製品は、本体表示を見ると判断しやすくなります。火気と高温に注意といった表示がある場合は、可燃性ガスや高圧ガスを含む製品の可能性が高く、燃えるごみに入れてはいけません。
整髪料、消臭剤、殺虫剤、潤滑剤、カセットボンベなどは代表例です。処分時は中身を使い切り、自治体が定める危険ごみや不燃ごみなどの区分に従う必要があります。
危険・毒物・酸性/アルカリ性表記
危険、毒物、劇物、酸性、アルカリ性といった表示がある製品は、薬品系として扱う必要があります。
洗浄剤、塗料、薬液、農薬、強い酸性やアルカリ性を持つ薬品類は、容器ラベルの表示をよく確認することが欠かせません。
中身を別容器に移さず、元の容器のまま保管して、購入先や自治体へ相談する流れが安全です。
【種類別】燃えるごみに入れてはいけない不要物の出し方8選

燃えるごみに入れてはいけない不要物は、種類ごとに出し方が異なります。
・電池・充電池
・電池内蔵の小型家電
・スプレー缶
・カセットボンベ
・ライター
・薬品・化学品
・刃物・割れ物
・膨張・破損・水没バッテリー等
以下で、種類別の基本的な出し方を解説します。ただし自治体によって処分方法は異なるため判断に迷う場合は、自己判断で燃えるごみに入れず、リサイクルセンターや役所に相談しましょう。
電池・充電池:端子を絶縁して回収拠点へ
電池や充電池は、端子を絶縁してから回収拠点へ出すのが基本です。金属端子が露出したままだと、ほかの電池や金属と接触してショートし、発熱や発火につながるおそれがあります。
小型充電式電池を出す際に、リード線や金属端子部分が露出しているものはテープなどで必ず絶縁処理をしましょう。
電池内蔵の小型家電:小型家電回収へ(外せる電池は別回収)
電池を内蔵した小型家電は、小型家電回収や自治体の指定区分で出す方法が一般的です。外せる電池がある場合は、本体と分けて、電池だけ別回収にする必要があります。
一方で、電池が簡単に外せない製品を無理に分解するのは危険です。環境省は、リチウム蓄電池が取り外せない製品は分解せず製品のまま回収する自治体もあるため、案内や回収窓口の説明を先に確認してください。
スプレー缶:中身を使い切って自治体指定の区分で排出
スプレー缶は、中身を最後まで使い切ってから、自治体が定める区分で排出します。中身が残ったまま捨てると、収集や処理の過程で可燃性ガスが漏れて、引火や爆発の原因になります。ガス抜きキャップを使うなどして充填物を出し切り、缶を振って中身が残っていないことを確認しましょう。
カセットボンベ:中身を使い切って自治体指定の区分で排出
カセットボンベも、スプレー缶と同じく中身を使い切ってから出す必要があります。少しでもガスが残っていると、収集車内や処理施設で爆発や火災につながるおそれがあるためです。
処分区分は、不燃ごみ、危険ごみ、資源ごみなど自治体で異なります。缶を振って音がしないか確認したうえで、自治体指定の出し方に従って排出してください。
ライター:ガスを使い切って自治体指定の区分で排出
ライターは、ガスを使い切ってから自治体が定める区分で排出する必要があります。使い切っていないライターを燃えるごみに混ぜると、圧縮や衝撃で引火するおそれがあります。ライターは危険品の例として示されており、通常の可燃系ごみに混ぜないよう注意が必要です。
ガスが残っているか分からない場合は、着火しない状態かを確認し、自治体の案内に沿って排出しましょう。
薬品・化学品:容器のまま保管し購入先・自治体に相談
薬品や化学品は、容器のまま保管して、購入先や自治体へ相談しましょう。
中身を別の容器へ移し替えると、成分が分からなくなり、適切な処理方法を判断しにくくなります。
塗料、農薬、劇薬、薬液、溶剤などは、ほかのごみと混ぜることで事故につながるおそれがあります。ラベルに危険、毒物、酸性、アルカリ性などの表示がある場合は、家庭ごみに入れず不明点は事前に問い合わせましょう。
刃物・割れ物:厚紙で包み「キケン」表示して排出
刃物や割れ物は、厚紙などで包み、キケンと表示してから自治体指定の区分で出す方法が一般的です。むき出しのまま出すと、ごみ袋が破れたり、収集作業員や選別作業員がけがをしたりするおそれがあります。
自治体によっては、不燃ごみや埋立ごみの扱いになり、包み方や表示方法も細かく定められています。厚紙や新聞紙で刃先や破片を保護したうえで、外側から危険物だと分かるようにして出すと、安全に収集しやすくなります。
膨張・破損・水没バッテリー等:回収先へ事前相談
膨張した電池、破損した電池、水没したバッテリーは、通常の回収ボックスへそのまま入れないほうが安全です。状態が悪い電池は、発熱や発火の危険が高く、一般的な回収対象から外れることがあるためです。
異変があるバッテリーは自己判断で処分せず、自治体、販売店、メーカー、リサイクルセンターなどへ事前に相談してください。迷ったときに早めに相談することが、事故防止につながります。
まとめ
燃えるごみで廃棄してはいけないものは、爆発や火災、作業員のけが、処理施設の作業ストップなど多くの危険性があります。
燃えるごみの袋に入るから、見た目が燃えそうな素材だからと判断せず、何が使われているのかよく表示をチェックしましょう。不明点は自治体やリサイクルセンターに問い合わせるなど、正しい処分方法を心がけることがスムーズなごみの回収、そして環境保全に役立ちます。
