近年、家庭ごみから火災が発生し、ごみ収集車やごみ集積所での事故が続いていることをご存じですか?
定期的に出しているなにげない廃棄物の中にこそ、危険な発火ごみが紛れているかもしれません。
本記事では見落としがちな発火ごみとは、具体的にどのような種類があるか解説します。また発火ごみになる不用品を処分する際の注意点もまとめているため、ぜひ参考にしてください。
発火ごみとは?

発火ごみとは、収集車の圧縮や衝撃によって火がつく可能性のある家庭ごみを指します。
一般家庭から排出されるごみの中には、電池やガスを含む製品が決して少なくありません。
そのまま混ぜて捨ててしまうと、衝撃や引火により火災につながる危険があります。
発火が起きる背景には、収集車内部で廃棄物を押し固める構造があります。廃棄物同士が押しつぶされる際に電池が破損したり、スプレー缶が摩擦で破裂したりすると、火花が生じることがあります。高温化した部品が可燃ごみと接触すると、車両火災に発展してしまうのです。
発火ごみになりやすい種類

代表的な発火ごみには次のようなものがあります。
- リチウムイオン電池・モバイルバッテリー・コードレス掃除機内蔵バッテリー
- スプレー缶(消臭剤・ヘアスプレー等)・カセットボンベ
- ライター(特に使い切り型・ガス残存型)
- 内蔵電池付き小型家電・電子タバコ・加熱式たばこなど
これらの廃棄物を正しく分別しないと、火災の原因になりかねません。
つまり電池やバッテリー、ガス、火にまつわる不用品が、扱い方を間違うと危険な爆発を引き起こすのです。
では具体的に、発火ごみによって、どのような被害やリスクが起きるのかを知り、そのうえで種類別での正しい処分方法を見ていきましょう。
発火ごみによる被害・リスク

発火ごみを誤って家庭ごみに混ぜてしまうと、火災が発生しやすくなります。収集車や処理施設では大量のごみが圧縮されるため、わずかな火花でも一気に炎上する恐れがあります。
この章では、注意すべき2つの被害として次の内容を解説します。
収集車・処理施設での火災
収集車で火災が発生しやすい原因は、圧縮機の構造によって電池やスプレー缶が破損しやすいためです。
破裂した電池が高温を発し、可燃ごみに引火すると車内が短時間で炎上する可能性があります。
実際に、自治体では収集車火災の発生が報告されています。東京消防庁では、電池やスプレー缶が原因となる火災が継続して発生しており、注意喚起が行われているのです。
処理施設でも、搬入された廃棄物に発火物が混ざっていることで設備が損傷する例があります。
火災が起きると、車両の焼損や収集の遅延だけでなく、職員の安全にも影響が出ます。
周辺の住宅・住民も火災による被害に遭うリスクがある
収集車火災が拡大すると、周囲の住宅や歩行者にも危険が及ぶ可能性があります。炎上した車両が道路で停止すると、周囲に熱や煙が広がり、付近の建物が損傷するケースがあります。
発火物が混ざった廃棄物は、搬入途中で火災を起こす危険もあり、住宅街での燃焼事故になりかねません。自治体では実際に、走行中の収集車が炎上した例が報告され、緊急停止した車両が住宅近くで燃えた事例もあります。
住民の安全を守るためにも、発火ごみを家庭ごみに混ぜないことが重要です。
【種類別】発火ごみを防ぐための具体的な方法

発火ごみを確実に防ぐためには、種類ごとに正しい処理方法を押さえる必要があります。電池・ガス缶・小型家電などは、誤った排出だけで火災の原因になりやすい品目です。
この章では、特に火災が多い4つの種類について、正しい排出方法をまとめます
リチウムイオン電池・モバイルバッテリー・コードレス掃除機内蔵バッテリー
リチウムイオン電池が危険である理由は、内部に可燃性電解液が含まれているためです。
衝撃で内部が破損すると高温になり、周囲の廃棄物へ引火する恐れがあります。
モバイルバッテリーやコードレス掃除機の電池部分も同じく、発火リスクが高い種類です。
収集車で圧縮される際に変形し、火花が発生するケースがあります。
自治体では、電池の持ち込み回収や専用ボックスの利用が推奨されています。安全に排出するためには、絶縁処理が欠かせません。
電池の端子をテープで覆うことで、金属部品との接触を防げます。
また、自治体や家電量販店の電池回収ボックスを利用すると、発火リスクのない状態で処理できます。
スプレー缶・カセットボンベ
スプレー缶が発火ごみになりやすいのは、内部に可燃性ガスが残っているためです。中身が残ったまま捨てると、収集車の圧縮で破裂する場合があります。
カセットボンベも同様にガスが残りやすく、微量でも引火する危険があります。
多くの自治体では「使い切ってから排出する」ことが推奨されています。
また、使い切る際にも火元から離れた場所で使うなど、適切な処理を行い破裂事故を防ぎましょう。
ライター(特に使い切り型・ガス残存型)
ライターは、内部のガスが残った状態で廃棄されることが多い傾向があります。
この際にごみ収集時の衝撃でガスが漏れ、他の可燃物に火がつく恐れがあるのです。
特に使い切りライターは、見た目ではガス残量を判断しにくいため、発火原因となりやすいとされています。
自治体によっては、専用の回収日に分けて出す必要があります。安全に処分するために、ガス抜きをしてから排出してください。
内蔵電池付き小型家電・電子タバコ・加熱式たばこなど
内蔵電池付きの小型家電が発火リスクを持つのは、電池が取り外せないタイプが増えているためです。
分別せずに捨てると、電池部分が圧力で損傷し、発熱する可能性があります。
電子タバコや加熱式たばこは金属部品が多く、衝撃でショートを起こす場合があります。小型家電としてまとめて出すと火災につながる恐れがあります。
防ぐためには、小型家電回収ボックスや自治体の資源回収に出す方法が適しています。
電子タバコや加熱式たばこも同じく内蔵電池が原因となりやすいため、一般ごみへ混ぜないよう気をつけましょう。
発火ごみを集積所に出す際の注意点

発火ごみを集積所に出す際に気を付けたいポイントをまとめました。
ルールを守り、安全に廃棄物を出す一人ひとりの心がけが、危険な事故防止につながるため、ぜひ意識しましょう。
迷ったら「該当ごみの捨て方」を必ず確認する
外見だけでは発火リスクの有無を判断しきれないからこそ、排出前に正しい廃棄方法を知る必要があります。
たとえば電池が残っているかどうか、ガスが完全に抜けているかどうかを見ただけで判断することは困難です。
自治体や市区町村の公式ウェブサイトでは、「発火の危険がある廃棄物の出し方」が明確に掲載されています。
種類別に分別区分が示されているため、排出前に確認すると安全に捨てられます。また、製品の取り扱い説明書に、廃棄に関する注意が明記されているところもあります。
少しでも「中身が残っているかもしれない」「電池が入っているかもしれない」と感じた際は、そのまま普通ごみに入れず、必ず分別ルールを見ましょう。
処分方法に迷った時の情報の調べ方
- 自治体の公式ウェブサイトの家庭ごみの出し方
- 製品に記載されている廃棄時の注意またはメーカーサイト
- 自治体が発行する「発火の危険があるごみ」に関するパンフレット・チラシ
発火ごみを集積所に出す際は、排出前の確認を徹底することが欠かせません。
危険性のある廃棄物が混ざるだけで収集車の火災につながり、自治体や周辺住民へ影響が及ぶためです。
処分方法を調べる必要があるのは、製品によって廃棄手順が異なり、誤った方法で排出すると火災につながるためです。
自治体の収集ルールは地域ごとに異なり、製品側の注意書きもメーカーによって違います。
迷った際に活用できる情報源として、自治体の公式ウェブサイトが最も確実です。
「家庭ごみの出し方」ページでは、発火の危険がある廃棄物について詳しく案内されています。
さらに、製品パッケージやメーカーサイトにも「廃棄時の注意」が記載されているため確認してみましょう。
自治体が発行するパンフレットやチラシも有効で、発火ごみに関する注意点がまとめられています。複数の情報を確認することで、安全に排出できます。
発火ごみを間違って処分しないための心がけ4選

発火事故を防ぐためには、日頃から意識しておくべきポイントがあります。
危険性のある廃棄物を誤って捨てないためには、家庭内での確認や情報共有が欠かせません。
この章では、特に重要な4つの心がけを紹介します。
不用品に電池・ガス缶・スプレーがないか確認する
リモコンや小型家電の内部に電池が残っていたり、スプレー缶の中身がわずかに残っていたりすると、収集車での発火につながります。
捨てる前に、電池の有無やガス残量を必ず確認しましょう。電池は回収ボックスへ、ガス缶は使い切ってから排出することで安全に処理できます。
新しく家電を購入する際は捨て方を調べる
内蔵電池タイプの家電が増えているため、新しく家電を購入する際にも電池の有無を見ておくと安心です。
見た目では電池の有無が分からず、誤って家庭ごみに混ぜやすい品が増えています。
製品の取り扱い説明書には、廃棄時の注意点が記載されていることがあります。メーカーサイトでも処分方法を案内しているため、購入時に確認しておくと安全に処分できます。
家族とも発火ごみの種類や出し方を共有する
家族で情報を共有する必要がある理由は、家庭ごみを排出する人が限定されていないためです。
誰か一人だけがルールを知っていても、別の家族が誤って混ぜてしまう可能性があります。
家庭内で、電池・スプレー缶・ガスボンベなどの発火物の扱い方を共有してください。
特に子どもが使用するゲーム機やおもちゃには電池が内蔵されていることがあり、家族全員が理解しておくことが安全につながります。家庭全体で協力することで、誤排出を防げます。
自治体の分別ルールの最新情報を定期チェックする
分別ルールの最新情報を確認する必要があるのは、自治体が火災増加に伴ってルールを変更する場合があるためです。
従来は一般ごみ扱いだった品が、発火事故を受けて回収方法を変更することもあります。
公式ウェブサイトの「家庭ごみの出し方」ページを定期的に確認すると、安全な排出につながります。
パンフレットやチラシはルールが変更された際に、新しく発行されるため定期的にチェックすることをおすすめします。
まとめ
発火ごみの多くは、日常生活で使われている身近な製品から生まれています。
電池やスプレー缶をはじめとする危険物は、少しの衝撃で発熱したり破裂したりするため、誤った排出が火災につながります。
正しく処分するためには、電池の有無やガス残量を確認したうえで、自治体が定める分別方法に従うことが重要です。
また、製品の取扱説明書やメーカーの案内を確認し、適切な排出ルートを選ぶと安全に処理できます。
家庭内で情報を共有したり、自治体の最新ルールを定期的に確認したりするだけで、発火事故の多くを防げます。
安全な排出を心がけることで、収集車や周辺住民への被害を避けることにつながります。
